大谷翔平のHRはなぜ止まった? 新井宏昌氏が「不振ではない」と断言する理由

エンゼルス・大谷翔平【写真:ロイター】
エンゼルス・大谷翔平【写真:ロイター】

大谷は今季ワーストの10戦48打席ノーアーチも「不振ということではない」

 エンゼルスの大谷翔平投手はここまで打者として135試合に出場し打率.304、44本塁打95打点の成績を残している。日本人初の本塁打王に期待がかかる中、今季ワーストの10戦48打席ノーアーチ。シーズン終盤に向けてペースが落ちる理由をメジャー解説者の新井宏昌氏は「バットを振る回数が減ると、打者は難しくなる」と語る。

 大谷は3日(日本時間4日)、敵地・アスレチックス戦に「2番・指名打者」で先発出場するも、3打数無安打2四球2三振で2戦連続ノーヒットに終わった。今カード3連戦で2つの申告敬遠含む6四球。敬遠の数は21個となり、2021年の20個を抜いて自己最多となっている。

 ポストシーズン進出の可能性があるチームは、本塁打王の二刀流と無理に勝負する必要はない。新井氏は「MVPを獲った2年前と同じような流れ。勝負を避けられるということは打席の中でスイングする回数も減るということ。打者は好調でも不振でもバットを振らないと状態を把握できない。(大谷は)ただ、不振ということではない」と見ている。

 現状では本塁打こそ出ていないが、打率3割をキープし、出塁率も.412をマーク。並の打者ならゾーンを拡げ、ボールを追ってしまうが、大谷は打つべき球を待ち自らのスイングを崩していない。「打たなければいけない気持ちを抑え、絶対に無理をしない。技術もそうだがメンタル面も年々、向上しているからこそ3割という数字を残せている」。チームとしては終戦となったが、大谷個人の“姿勢”はシーズン序盤と変化は見られないという。

 右肘靭帯損傷で投手としての登板はなくなったが、10勝をマークしており注目のMVP争いは「満票近い票を集めると思います」と断言する。

「現状でもとんでもない成績。周りの期待値が高いからこそ『不振ではないか?』という声が出る。毎年のように結果を残す姿は、タイプこそ違いますが1年目から新人王、MVPを獲りながら10年連続200本安打をマークしたイチローと被る。このまま我慢強い打席を続ければ自ずと結果は出るはずです」

 エンゼルスのシーズンは残り25試合。本塁打王、打点王の2冠を目指す大谷のラストスパートに注目が集まる。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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