“下位がトップ”の逆転現象 CS争いに影響も…勝負を左右するセ6球団「抑え」事情

中日のライデル・マルティネス、巨人の中川皓太、阪神の岩崎優(左から)【写真:矢口亨、中戸川知世】
中日のライデル・マルティネス、巨人の中川皓太、阪神の岩崎優(左から)【写真:矢口亨、中戸川知世】

首位を走る阪神は守護神・岩崎を中心に救援防御率2点台の安定感

 ペナントレースもいよいよ終盤戦に入り、優勝争いと共に注目されるのがクライマックスシリーズ(CS)出場権をかけたAクラス争いだ。セ・リーグでは阪神が18年ぶりVに向けて歩みを進めており、2位に広島がつけ、DeNAと巨人がAクラス入りへしのぎを削っている状況。勝負の行方を左右する要因の1つが各球団のリリーフ陣、特にゲームの最後を締めくくる抑え投手だ。成績をもとに6球団の現状を見ていく(記録は6日現在)。

 首位を走る阪神は、岩崎優投手が守護神として君臨。現在、29セーブでリーグ2位につけており、救援陣全体の防御率でもリーグ唯一の2点台(2.23)の安定感を誇る。前回の優勝時に、久保田智之(現1軍投手コーチ)らを起用し“JFK”と呼ばれる盤石リリーフ陣を作り上げた、岡田彰布監督らしい手腕が表れているといえるだろう。

 広島は、2年連続30セーブ超の栗林良吏投手が、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を腰の張りで離脱し、開幕後も不調が続いた。その間、抑え役を託された矢崎拓也投手が24セーブをマーク。現在は栗林が復調し、矢崎&栗林のダブルストッパーを実現できるなどリリーフ起用の幅が広がっている。

 不安があるのが、Aクラスを争うDeNAと巨人だ。DeNAは本来の抑え役である山崎康晃投手が中継ぎへ配置転換。代わりに森原康平投手が担っているが、5日の広島戦(マツダスタジアム)では9回に森原が同点に追いつかれると、延長10回に山崎が打たれてサヨナラ負け。翌日の同カードも延長11回にサヨナラ黒星と、救援陣に不安が残る。巨人もまた、昨季37セーブを挙げて新人王に輝いた大勢投手が、現在は2軍調整中。代役は中川皓太投手が担っているが、チームの救援防御率は3.92とリーグ最下位となっている。

 DeNAと巨人にCS争いで水を開けられている下位2球団だが、ヤクルトの田口麗斗投手、中日のライデル・マルティネス投手が共に30セーブでリーグトップ。ヤクルトはセットアッパーを務める清水昇投手がホールド数リーグ2位の34と、後ろが盤石なだけに課題は明白といえるかもしれない。大事な終盤戦の勝負の行方の鍵を握る守護神、そして各球団の救援陣の活躍ぶりに今後も注目していきたい。

(Full-Count編集部)

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