DeNA「勝負の10月」に不可欠な“最強の3人” 短期決戦で威力…ずば抜けた支配力

DeNAの東克樹、トレバー・バウアー、今永昇太(左から)【写真:荒川祐史】
DeNAの東克樹、トレバー・バウアー、今永昇太(左から)【写真:荒川祐史】

東はリーグトップ13勝、今永&バウアーも抜群の安定感

 セ・リーグ3位のDeNAは現在、クライマックスシリーズ(CS)進出に向けて奮闘を続けている。4位・巨人とのゲーム差は「2.5」と、最後まで気の抜けない戦いが続くが、終盤戦と短期決戦を戦う上で、他球団の脅威となる強みを持っている。先発陣を支えている東克樹、今永昇太、トレバー・バウアーの3投手が、リーグでも傑出した成績を残してチームを牽引しているのだ(数字は7日時点)。

 7日の広島戦(マツダ)で完投勝利を挙げた東は、リーグ最多の13勝に加え、防御率は2.11を記録している。6回以上を自責点3以内で記録されるクオリティ・スタート(QS)は、20登板で「17」と、抜群のゲームメークを見せている。

 エース今永も、ここまで7勝ながら防御率は2.81と先発陣をリードしている。夏場に入り、1か月以上勝利から遠ざかっているが、CSで対戦する可能性のある広島戦では防御率2.61、阪神には同2.70と安定した投球を披露している。

 3人目は今季加入したバウアー。ここまで10勝4敗、防御率2.76とメジャーでの実績十分の右腕が貫禄の投球を見せている。9月1日に登録抹消となったが、早期の復帰が待たれる。

 セイバーメトリクスの指標を用いて分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp//a> のデータによると、DeNAのチーム防御率は3.23でリーグ4位。先発投手は同3.27だが、この3人に限ると防御率は2.54となり、格段に安定感が増すことになる。さらにWHIPは東が「0.99」、今永が「1.03」、バウアーが「1.15」と、走者を背負う場面も極めて少ない。点を取られない上に走者も出さないので、試合を有利に進められる可能性が高い。

 一戦ごとの重要度が増す短期決戦では、先発投手の充実が勝敗を左右する大きな鍵となる。信頼できる投手が多いほど、戦い方の選択肢が増えるのは間違いない。DeNAが誇る「最強の3人」が“10月決戦”を勝ち抜く追い風になるだろうか。今後の戦いから目が離せない。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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