初スタメンも「勝利が最優先」 伏兵は「感情出さず」大仕事…決めた“完全試合”

侍U-18代表・高中一樹【写真:荒川祐史】
侍U-18代表・高中一樹【写真:荒川祐史】

8日に“完全試合”達成の東恩納から感謝される一撃

 高校日本代表「侍ジャパン」は9日、台湾(台北)で行われている「第31回 WBSC U-18 ベースボールワールドカップ」で台湾とのスーパーラウンド3戦目に臨み、2-5で敗戦した。黒星の中に光りも見えた。今大会で初スタメンとなった高中一樹内野手(聖光学院)が3打数1安打1打点で存在感を示した。

 ここまで今大会スタメン出場がなかった高中は「自分はバリバリのレギュラーという訳ではない。チームが勝つために動く。(聖光学院と)立場は違いますけど、準備をしっかりしています」と気持ちを引き締める。

 この日は4点を追う6回2死二塁からセンターへ適時打を放ち、ガッツポーズを披露した。8日のプエルトリコ戦では9点リードの5回に代打で出場し、コールド勝ちを決める適時打を放ち、東恩納蒼投手(沖縄尚学)の“完全試合”をお膳立て。東恩納からは「決めてくれてありがとうと言われました」と高中は照れ「チームに貢献できてなかったので、自分として1本出て良かったなと思います」と拳を握った。

 9日に台湾と行われた“前哨戦”は2-5で敗戦。高中は「しっかりしないといけない。(守備は)1番、日本が求めていること。細かいミスがあったので、直していけば勝つ確率があるのかなと思います」と気を引き締める。

 ベンチスタートの目立っていた高中は「代表に選ばれてからの期間、試合に出る機会がなくて、悔しい思いもあった。チームが勝つために選ばれてきた。自分の感情は出さずに勝利が最優先。そう考えてベンチにいました。表情や姿が出ている選手に伝わる部分があると思うので、意識しています」。頂点に到達するまで、懸命にチームを支える。

(真柴健 / Ken Mashiba)

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