日本野球を学び“猛チャージ” 3・4月は1割台も…存在感増す西武助っ人の進化

西武のマーク・ペイトン【写真:小林靖】
西武のマーク・ペイトン【写真:小林靖】

西武・ペイトンは9月の打率が.345…生き残りへ“猛スパート”

■ソフトバンク 9ー3 西武(13日・ベルーナドーム)

 西武は13日のソフトバンク戦(ベルーナドーム)に3-9で完敗した。しかし、「7番・左翼」で出場したマーク・ペイトン外野手は4打数2安打1打点と気を吐いた。来日1年目の助っ人は、3・4月を打率.183で終え、4月30日から7月21日までの2軍調整は84日間に及んだが、ここにきて持ち前の広角打法を披露し始めた。9月は月間打率.345(29打数10安打)の猛打。何かと日本に縁がある男が、“生き残り”へスパートをかける。

 この日のペイトンは初回、チームが敵失で2点を先取した後、なおも2死一、二塁で左打席に入った。ソフトバンク先発の有原航平投手とは初対戦だったが、「彼がすごくいい投手であること、アメリカでも経験があることは頭に入っていた」。カットボールとチェンジアップで3球続けて内角を攻められ、カウント1-2と追い込まれたが、4球目の外角低めの146キロ速球に反応。中前へ弾き返し、3点目を叩き出した。

「僕は普段、高めに目付けをして、浮いてきた球をしっかり弾くことをイメージして打席に入っている」とした上で、「あの打席は追い込まれていたので、とにかくボールにコンタクトして前に飛ばすことを意識した結果、外角球にも反応できた」と説明する。普段の「高めに浮いてきた球を弾く」イメージ通りになったのが、7回先頭での第3打席。カウント1-1から、インハイの143キロ速球に詰まらされながら左前へ運んだ。

 トータルでの今季打率は.218。しかし、開幕直後とは別人のよう。「ファームで日本の野球を学びながらやってきたことが実を結んできたのかなと思う。とはいえ、自分にはまだまだ慣れていかなければいけないことが多いよ」と気を引き締める。

ヤンキース傘下時代には松井秀喜GM付特別アドバイザーと対面

 日本の投手の情報が増えたことも、打撃急上昇の要因だ。練習中も、試合中のベンチでも、同じ来日1年目の同僚デビッド・マキノン内野手と肩を並べて会話を交わすシーンが多く見られる。マキノンは右肩を痛めて8月28日にいったん出場選手登録を抹消されるまで、全試合スタメン出場を続け、54試合のペイトンの倍以上の114試合に出場しているとあって、「自分よりいろいろな投手と対戦していて情報量が多い。今日も、有原がどんな球で攻めてくるのかを教わったよ」とうなずいた。

 アスレチックス傘下の3Aでプレーしていた2019年秋に、日本で行われた「WBSCプレミア12」スーパーラウンドに出場。さらに遡ると、2015年にプロ野球選手として初めて所属したのがヤンキースで、松井秀喜氏がGM付特別アドバイザーに就任した年だった。

「松井さんも就任したばかりで、ノートを取ったりして勉強している段階という感じだった。アドバイスをもらったというより、あいさつ程度の会話をしただけ」だという。「当時は自分も若かった。まさか8年後に自分が日本に来てプレーしているとは思わなかったけれど、こうなって本当に良かったよ」と感慨深げに笑う。

 西武のレギュラーシーズンは残り17試合。ペイトンにとっては来季の去就に関わる正念場となりそうだが、「どんな試合であっても、ベストを尽くして必死にやっていくしかない。何も変わらないよ」と“普段通り”を強調した。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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