「女の子見に来て」 開催地チームから唯一選出…侍女子・村松珠希がW杯で伝えたい想い

「7番・捕手」で先発した侍ジャパン女子代表・村松珠希(中央)【写真:喜岡桜】
「7番・捕手」で先発した侍ジャパン女子代表・村松珠希(中央)【写真:喜岡桜】

広島が本拠のはつかいちサンブレイズ・村松珠希捕手が値千金の一打

 スタンドに詰めかけた女子野球ファンが沸いた。カーネクストpresents「第9回WBSC女子野球ワールドカップ・グループB」が13日、広島県の三次きんさいスタジアムで開幕し、侍ジャパン女子代表はプエルトリコ代表に4-2で逆転勝利した。開催地・広島に本拠を置くチームに所属している村松珠希捕手(はつかいちサンブレイズ)の攻守にわたる活躍が光り、2012年から続くW杯連勝記録を「31」に伸ばした。

 2点ビハインドの4回一死満塁、「打席に入る時に声援が聞こえたので、絶対にここで打ちたいと思って打席に立ちました」という7番・村松が、相手先発のジャニリツ・リベラ投手のストレートを打ち砕いた。中前打で走者2人が生還し、試合を振り出しに戻すと、続く岩見香枝内野手(西武レディース)のスクイズで勝ち越しに成功した。

 村松は守備でも、先発した侍女子最年少の21歳・小野寺佳奈投手(巨人)を支え、プエルトリコ打線を3安打12奪三振に抑えてみせた。3回には2点の先制を許し、その後も2死一、二塁のピンチが続いたが、「しっかり考え直して整理した」と冷静に立て直し、小野寺の持ち味である緩急を生かした好リードで後続を2者連続三振に切って取った。

 代表初選出の村松は、中国・四国地方のチームから選ばれた唯一の侍メンバー。出身は大阪だが、生活拠点としている地で開催される今大会への想いは強い。ここ数年で急速に注目度が高まっている女子野球について、「中国、四国の女子野球は関西や関東に比べるとまだ発展途上」と、競技人口やレベルに地域格差があることに触れ、「広島開催のこの大会を、たくさんの女の子に見に来てもらって、(中国・四国地域の女子野球が)盛り上がってほしい。すごいとか、憧れるとか、そういう気持ちを届けられたら」と願いを込めた。

 スタンドには、開催地・広島で活動するはつかいちサンブレイズのチームカラーである「赤」を基調としたアイテムを持参している人や、地元カープのユニホームを着た人など、中国・四国地方の野球ファンであろう観客の姿もあった。村松が同点打を放つとスタンドから大声援が送られ、手拍子によって一体感に包まれた。侍女子を率いる中島梨紗監督も「鳥肌が立ちました」と興奮した様子で振り返るほどだった。

 大舞台でいきなり躍動した村松。“地元”の女子野球を発展させるためにも力を振り絞る。

【実際の映像】球場に響いた歓声 女子W杯で侍女子・村松珠希が放った2点二塁打

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