“努力の人”大谷翔平に「同じ人で居続けて…」 守護神が振り返る二刀流との1年

球宴で写真を撮影するエンゼルス・大谷翔平(左)とカルロス・エステベス【写真:Getty Images】
球宴で写真を撮影するエンゼルス・大谷翔平(左)とカルロス・エステベス【写真:Getty Images】

エ軍守護神エステベスはロッカー整理する大谷へ感謝の言葉「とてもリスペクトしている」

 エンゼルスの大谷翔平投手は15日(日本時間16日)、右脇腹痛で15日間の負傷者リスト(IL)に入り、今季の残り試合を欠場することが決まった。14試合を残しての終戦となったが、10勝&44本塁打と2年ぶりのMVP受賞が確実視される大活躍。チームメートからは称賛の声が相次いだ。

 熱い“大谷愛”を語ったのは守護神のカルロス・エステベスだ。今夏のオールスター戦に初選出された30歳は、前夜にロッカー整理する二刀流と言葉を交わしたという。

「荷物を片付ける姿を見た。残念なことだけど、本当に復帰できるように頑張っていた。彼には『とてもリスペクトしている』と伝えた。毎日成長しようと努力している。『その姿勢を変えないで、同じ人で居続けてほしい』と伝えた。謙虚であり続けて欲しい」

 昨季までリーグの違うロッキーズに所属。2021年7月28日に1打席だけ対戦したことはあったが、実際に大谷がどんな人物か想像は付かなかった。真摯に、ひたむきに野球に向き合う姿に魅了されたという。

「彼の成長したいという気持ちは素晴らしい。100球以上を投げて完封勝利した後に、ホームランを2本打っても、それを成長するための原動力としている。彼から『当たり前はない』ということを学んだ。そして、毎日成長するためにハードワークをしている」

「練習の姿勢にも驚いた。才能を持った選手だけど、凄まじい努力と労力をかけている。トレーニングルームでもグラウンドでも集中している。その姿勢をリスペクトしているし、感激もしている。とてもクールなことだ」

エンゼルス・大谷翔平【写真:ロイター】
エンゼルス・大谷翔平【写真:ロイター】

グラウンド外では日本アニメの話題で意気投合「気難しく口数が少ないと思っていたが」

 ただ、グラウンドを離れれば1人の好青年。守護神とは日本アニメの話題で意気投合した。その“ギャップ”に虜になったという

「何でもできる選手は気難しく、口数が少ないと思っていたが、ショウヘイはすごい面白い奴だった。試合のことを話すし、アニメのことも話す。おおらかなんだ。本当に驚いたね」

 大谷は今オフにFAとなる。一部ではメジャー史上最高額、6億ドル(約887億円)を超える争奪戦が予想され、今季限りでエンゼルスを退団する可能性がある。エステベスはもちろん残留を熱望。二刀流復活の期待も込める。

「できるだけ長い間、彼とチームメートになれたら最高だ。でも、これは野球だ。何が起きるかわからないが、幸運を祈っている。どうなるか見守ろう」

「ショウヘイも人間なので、あと12年間、二刀流を続けることは無理だと思うけど、長い間、続けられると思う。そのために努力をする男だ」

 ベテランリリーバーも二刀流の復活を心待ちにしている。

○著者プロフィール
小谷真弥(こたに・まさや)1983年、大阪・大阪狭山市生まれ。埼玉・東松山市育ち。明大明治高、明大野球部を経て2006年報知新聞社に入社。地方部(富山・石川)を経て09年に運動第一部(野球部)へ異動。09年ロッテ、10、11年横浜、12年から巨人、15年から日本ハム、17年からメジャー担当。19年2月からFull-Count編集部に所属。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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