“師匠”は鷹・中村晃 W杯で驚異の打率.615…進化する侍J女子のヒットメーカー

女子日本代表・川端友紀【写真:喜岡桜】
女子日本代表・川端友紀【写真:喜岡桜】

侍J女子の主将・川端友紀は全5試合で安打を放ち13打数8安打の活躍

 広島県で開催されたカーネクストpresents「第9回WBSC女子野球ワールドカップ・グループB」は17日に閉幕。W杯6連覇中の「侍ジャパン」日本代表は5戦全勝で、来年開催のファイナルステージ(カナダ・サンダーベイ)出場を決めた。出口彩香内野手(西武レディース)と“W主将”を務めた川端友紀内野手(九州ハニーズ)はグループトップの打率.615(13打数8安打)をマークし、チームを牽引した。好調の裏には、ソフトバンク・中村晃外野手による直接指導があった。

 世界的にまだ成長過程にある女子野球は、ネットに海外チームの動画や細かな試合結果などの情報が男子ほど多くなく、侍女子代表も“手探り”の中で今大会を戦い抜いた。日本国内では珍しい球の動きをする外国人投手に、いち早く対応したのが川端だった。ヤクルト・川端慎吾内野手を兄に持つヒットメーカーは全5試合で鋭い打球を放ち、安打を記録した。
 
 好打を支えた要因として、鷹戦士と取り組んだ「ライナーティー」をあげた。川端は福岡県を活動拠点とするクラブチーム「九州ハニーズ」を2022年に立ち上げ、九州へ移住。チームの指揮を執る宮地克彦監督を介して、同い年の中村の自主トレに参加するようになった。川端のバッティングを中村が後方から確認。「バットを内から出して前で捌く感覚についてお話をしてもらいました」と振り返る。その成果が大舞台で発揮された。

 大会最終日の17日、キューバ戦に6回コールドの10-0で勝利5戦全勝でフィニッシュ。「チームとして全部勝つことが目標だったので、それが達成出来てよかったです」と胸を撫でおろした。大会で結果を出すために「失敗しても下を向かないこと」を普段から意識。「バントを失敗しても、次がヒットになれば結果オーライ」と心掛けた。

 ベテラン選手にも上手くいかない日はある。「落ち込むこともあるのでは」と問うと、遮るように「もちろん」と頷いた。だが、「どれだけ早く切り替えて前向きになれるかが大事ななので、若手選手にもそういう姿を見せられたらいいなと思います」と、チーム最年長として後進の育成にも意識を向ける。

 技術力の高さだけでなく、メンタルの整え方でも余裕を見せる。7連覇がかかるファイナルステージでも、ヒットメーカーとして日本代表の主軸を担う覚悟だ。

(喜岡桜 / Sakura Kioka)

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