苦闘する元新人王、“ガラス”の虎エース チームは優勝も…1軍出場がない選手たち

阪神・高山俊(左)と北條史也【写真:小林靖、荒川祐史】
阪神・高山俊(左)と北條史也【写真:小林靖、荒川祐史】

2016年新人王の阪神・高山は未出場、昨季トレード移籍した阪神・高濱、オリックス・石岡も出番がない

 2023年のプロ野球も各チーム残り試合10試合弱。セ・リーグは、阪神が14日に18年ぶり6回目の優勝。パ・リーグは、オリックスが20日に本拠地でリーグ3連覇を決めた。2023年のペナントレースが関西2球団の優勝で幕を閉じようとしているが、歓喜に包まれた2球団の中にも、いまだに1軍出場のない有力選手たちがいる。(成績は21日時点)

 阪神では、ドラフト1位入団の30歳、高山俊外野手が出番に恵まれていない。2軍では86試合で打率.245、9本塁打を記録している。2016年新人王に輝いた男に、残り試合で出番は訪れるだろうか。昨季オフ、トレードで日本ハムから阪神へ移籍した高濱祐仁内野手も未出場だ。2軍でも打率1割台と目立つ数字は残せておらず、昇格がない状況が続いている。

 今季の阪神は、二塁コンバートの中野に加え、木浪や小幡らが遊撃手のポジションで存在感を示しており、昨季86試合に出場した山本泰寛内野手も1軍の出場機会がない。4年目だった2016年に122試合に出場し定位置を獲得したかに見えた北條史也内野手もまた、年々出場試合は減少、今季はファームで72試合出場し打率.240と2軍暮らしが続いている。

 怪我による離脱がなければ……というのが高橋遥人投手だ。6月に「左尺骨短縮術」および「左肩関節鏡視下クリーニング術」を受け、「必ずマウンドに戻ってくる」とコメントした左腕の復帰はファンにとっても待ち遠しいだろう。

 昨季支配下登録され、ブルペンを支えた遅咲きの左腕も未出場が続く。渡邉雄大投手は、戦力外→育成契約から這い上がり、昨季は32試合登板で3勝1敗10ホールド、防御率2.45の好成績を収めたが、今季は2軍でも29試合で防御率4.18。1軍ブルペン陣は、岩崎や岩貞に加え、今季は島本、及川、桐敷ら左腕が揃っており、中々出番がないのが現状だ。

 一方オリックスでは、昨年7月に中日からトレードで移籍してきた31歳の石岡諒太内野手の出場がない。昨季は、移籍後初スタメンの試合でお立ち台に上がる活躍を見せるも、それ以降は振るわず。今季は2軍でも打率.217、本塁打0本にとどまっている。現在、阪神は20人、オリックスは9人の支配下選手が1軍未出場だ。この人数の差は、今季も1、2軍の選手を頻繁に入れ替えてどんどん選手を起用した中嶋監督の起用法が現れているのだろう。栄光の裏で苦汁をなめる選手たち。今後、彼らに出番は訪れるのだろうか。

(Full-Count編集部)

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