前田健太が語る右肘手術の“落とし穴” 大谷翔平の復活に太鼓判も…完全回復までの注意点

エンゼルス戦前の取材に応じたツインズ・前田健太【写真:小谷真弥】
エンゼルス戦前の取材に応じたツインズ・前田健太【写真:小谷真弥】

前田は2021年9月にハイブリッド手術「ご飯を食べるのも痛かった」

■ツインズ 8ー6 エンゼルス(日本時間23日・ミネソタ)

 ツインズの前田健太投手は22日(日本時間23日)、本拠地・エンゼルス戦前に報道陣の取材に応じ、ハイブリッド手術の経験談を語った。エンゼルス・大谷翔平投手が18日(同19日)に受けた右肘手術は、ハイブリッド手術と指摘されている。

 前田がハイブリッド手術を受けた当時は症例が少なかった。従来のトミー・ジョン手術の選択肢もある中、前田は主に2つの理由からハイブリッド手術を選択したという。

「(靱帯の)強度が強くなるということと、あとはリスクとリハビリ期間が(TJ手術と)全く変わらない、という説明を医師から受けて選びました。米国でトミー・ジョン手術をした選手の8割くらいはしっかりと元の状態に戻っている。先生やリハビリの担当の方に術後にサポートしてもらえたので、僕は不安はなかったです」

「おそらく古い手術をする人はいなくなると思います。僕より前にグラスノー(レイズ)もやってますけど、今後は通常の手術になってくると思います」

4月は0勝4敗、防御率9.00と苦戦、負傷者リスト入り中に「投球フォームを見直した」

 前田は2021年9月1日(同2日)に手術を受けて2022年はリハビリのために全休。2023年4月4日(同5日)の敵地・マーリンズ戦で591日ぶりに復帰した。「歯を磨くのも痛いし、シャンプーも痛いし、ハンドソープを使うのも痛かったです。ご飯を食べるのも痛い。全部が痛かったのでそれがなくなったのは僕の中では幸せでした」というが、本業の方は順風満帆とはいかなかった。

 4月は0勝4敗、防御率9.00。4月29日に右三頭筋痛で負傷者リスト(IL)入りした。負傷前の悪癖が不調の原因だった。

「手術前なら出ない張りが出たりとか。僕の場合、痛みをかばいながら投げていたので、ずっとそのフォームが染み付いていたりとか。ILに入って投球フォームを見直す時間があったので、そこで従来のフォームに近いフォームで復帰することができた。そこからは変な肘の張りは全く出なくなった。自分が気づかないズレだとか、もしかしたら出るかもしれないですね」

 チームが地区優勝へ突き進む9月は3勝0敗、防御率2.82。本来の姿を取り戻しつつある。「ILから戻ってきてからもすごく不安なく、順調に投げられていますし、チームの勝利に貢献できていると思います。すごく充実した1年を過ごすことができています」。痛みがなくなったことが何よりのようだ。

 ハイブリッド手術を受けたとされる大谷は、来季打者に専念。二刀流復帰は2025年になる。前田は「アドバイスはないです。人それぞれ症状も違いますし、(リハビリの)進み具合も違うので、それは人それぞれ。ただ、翔平に関してはケアだったり、野球に対する取り組みが完璧な選手なので。そこに関しては大丈夫だと思います」と、復活に太鼓判を押していた。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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