山川は「真摯に反省して」 西武後藤オーナーがFA去就に言及「選手の権利」

西武・山川穂高【写真:矢口亨】
西武・山川穂高【写真:矢口亨】

2年目の来季は「もちろん“アレ”でしょう」

■西武 2-1 楽天(27日・ベルーナドーム)

 西武は27日、本拠地ベルーナドームでの今季最終戦を2-1の勝利で飾った。同日現在64勝73敗1分、勝率.467の5位。ビジター5試合を残しているが、3位のロッテとは4ゲーム差で、クライマックスシリーズ(CS)進出の可能性は風前の灯となっている。とは言え、球場を訪れた後藤高志オーナーは、就任1年目で複数年契約を結んでいる松井稼頭央監督について「存分にやってくれた。来年につなげてほしい」と来季続投を明言。無期限公式試合出場停止処分を科している山川穂高内野手についても言及した。

 試合後に行われた本拠地最終戦セレモニー。あいさつに立った松井監督が「結果は全て監督の責任です」と言い切ると、球場に残ったファンから激励の声が起こった。さらに「若手の成長、チームの成長は感じられます。まだまだ(日本)シリーズ(進出)の可能性もあります。最後の最後までチーム全員で戦っていきます」と力を込め、拍手に包まれた。

 後藤オーナーはそんな松井監督を「よくやったと思うよ、僕は。松井監督にしてみれば、故障者、離脱者が多かったわけで、厳しいシーズンだったと思うけれど、彼はそれを今日のあいさつでも一身に背負っているでしょ。他の責任にしない。非常に潔いというか、立派だと思う」と高く評価。その上で2年目の来季について「それは“アレ”でしょう」と、セ・リーグを制した阪神になぞらえ優勝を期待した。

 痛恨の“離脱者”の1人となったのが、主砲の山川だ。強制性交の疑いで書類送検され、嫌疑不十分で不起訴となったが、球団は無期限の公式試合出場停止処分を科している。今季は17試合出場、打率.254(59打数15安打)、0本塁打5打点。国内FA権取得までの1軍登録日数は17日足りないが、故障者特例措置によって今季終了後に取得選手として公示される見込みとなっている。

10月のフェニック・スリーグ参加の可能性についても言及

 後藤オーナーは山川について「不起訴になったということだけれど、女性から訴えられたのは事実。僕の気持ちとしては、残念であると同時に(オーナーとして)申し訳ない。山川選手には真摯に反省して、しっかりした道を歩んでもらいたい」。FA権の行使は「選手の権利ですから、山川選手自体がどう判断するか。彼の判断に委ねたい」とした上で、球団として来季契約を結ぶ意思については「シーズンが終わってからの話。仮定の話にはお答えできない」と明言しなかった。

 ただ、後藤オーナーは「(公式試合出場停止処分中でも)フェニックス・リーグは公式戦ではありませんから、球団に任せます」と言及した。10月に宮崎で行われるフェニックス・リーグは、本来は若手の育成が主な目的だが、全ての支配下選手と育成選手に出場資格がある。実戦から遠ざかっている山川にとって、仮に参加した場合、決して無意味ではないとも言える。

 リーグ優勝に届かなかった事実を踏まえ、チームの建て直しに動き出す西武。まずは山川の進退について、球団と本人がそれぞれどんな判断を示すかが注目される。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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