低迷続くエ軍「諸悪の根源」とは? 倹約が招いた“悲劇”…他球団と比べて「遅れてる」

エンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】
エンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】

エ軍は選手育成、機器のアップグレード、キャンプ施設などで後れを取っているという

 エンゼルスは今季、9年連続でプレーオフ進出を逃した。大谷翔平投手やマイク・トラウト外野手というスーパースターを抱えながら上位に進出できない原因はどこにあるのだろうか。米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」の番記者、サム・ブラム氏は元球団スタッフら17人にインタビューを実施。そこから浮き彫りになった数々の問題点を指摘している。

 ブラム氏が実施したインタビュー結果によると、エンゼルスは他球団と比較して、重要な分野に資金を投入していないという。選手育成を始め、スカウト、機器のアップグレード、キャンプの施設まで遅れていると説明する。元スタッフはテンピのキャンプ施設について「アリゾナで最も古く、酷い施設だ」と述べたという。

 過去10年で球宴に出場したエンゼルス自前の選手はトラウトら3人。アストロズは9人、ドジャースは10人、カージナルスは11人で、大きな開きがある。他球団が積極的に最新鋭の機器を導入する中、エンゼルスは遅れ、元コーチは「2019年以前は何もなかった。テクノロジーはなし。とても遅れていた」と語った。

 傘下マイナー選手の環境整備も遅れており、最近まで個室を与えられなかったという。2003年途中にオーナーに就任したアート・モレノ氏は当時「マイナーリーグの構築に向けて、資金を無制限に投入する」と語ったが、「その証拠がない」と記事は述べている。

球団職員の数はドジャースの半分…警備員の給与も低い

 今季の球団職員は43人で、ドジャースの79人と比較すると約半分。国際スカウトの数も少なく、それも影響しているのか過去3年でメジャー登録された国際選手は大谷ら4人にすぎないという。新型コロナウイルス感染者が拡大した時期は一時解雇がなされ、国際スカウトが米国内のスカウトも兼ねたこともあったという。

 球場警備員の時給は15.50ドル(約2300円)。同じカリフォルニア州が本拠地であるドジャースの16.58ドル(約2500円)、アスレチックスの16.30ドル(約2400円)よりも低いそうだ。

 こうした状況を鑑み、ブラム氏は、低迷は不運の一言だけでは片付けられないと主張。倹約が、チームの失敗における「諸悪の根源だ」と述べている。

(Full-Count編集部)

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