“見えないテークバック”から剛球連発 「作り上げた」独特フォーム…オリにまた新戦力

オリックス・横山楓 【画像:パーソル パ・リーグTV】
オリックス・横山楓 【画像:パーソル パ・リーグTV】

オリックスの2年目・横山楓投手が初登板…1イニングを無失点に抑えた

■楽天 5ー4 オリックス(30日・京セラドーム)

 独特な投球フォームを身につけ、プロの世界で第一歩を踏み出した。オリックスの横山楓投手は9月30日、京セラドームで行われた楽天戦の7回にプロ初登板を果たした。4点ビハインドのマウンドで1回無安打無失点と存在感を見せ、本拠地のファンを唸らせた。注目されたのは“極小”のテークバック投法だった。

「極端に今みたいなフォームに挑戦したのは、プロに入ってからです。(新人時代の)去年1年間やってみて、オフシーズンの期間で中垣さん(巡回ヘッドコーチ)や、小林2軍監督にご指導を頂いて作り上げてきたものです」

 元々、左手のグローブを高々と空に掲げるフォームで「(体が)上を向いて暴れやすいので、小さくまとめて打者に目掛けて投げる意識」と工夫を明かす。この日は楽天の主砲・浅村から空振り三振を奪うなど、直球の威力は抜群。自己最速タイの153キロを計測した。

 2021年ドラフト6位でオリックスに入団した。昨季は1軍登板こそなかったものの、2軍で25試合に登板してチーム最多タイの6セーブをマーク。防御率2.36と着実に結果を残してきた。

「いつでも行けるように準備していました」

 昨季は1軍マウンドを経験できなかっただけに「ずっと長い間2軍でプレーしていて(今回)チャンスをいただいたので(自分の)やれることを。しっかり腕を振って、ストライクゾーンで勝負する意識でマウンドに上がりました」と力を込めた。

 2軍で奮闘した日々も、今では良い経験になる。「自分のやれることは練習しかないと思っていた。早く順番が来ないかな……とは思っていました。いつでも行けるように準備していました」。夢見た1軍舞台で、ダイナミックかつ繊細なフォームを披露してみせた。

 リーグ3連覇を果たしたチームには、また新たに存在感を示した右腕がいる。「自分の武器を最大限に生かしたい。思い切り、腕を振って勝負していきたい」。好ルックスの25歳。ネクストブレークが期待される。

(真柴健 / Ken Mashiba)

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