初の偉業、TJから復活、大台まで4 初挑戦組も“爪痕”…2023年日本人メジャーの軌跡

レッドソックス・吉田正尚、エンゼルス・大谷翔平、オリオールズ・藤浪晋太郎、メッツ・千賀滉大(左から)【写真:Getty Images】
レッドソックス・吉田正尚、エンゼルス・大谷翔平、オリオールズ・藤浪晋太郎、メッツ・千賀滉大(左から)【写真:Getty Images】

ダルビッシュは途中離脱も大台まであと4勝に迫る

 前田健太投手の所属するツインズは11日(日本時間12日)、本拠地で行われたアストロズとのア・リーグ地区シリーズ第4戦で敗れ、1勝3敗で敗退が決定。これで今季メジャーリーグに所属した日本人選手は、全員がシーズン終了となった。改めて、全選手の活躍ぶりを振り返ってみたい。

 歴史に名を刻む大活躍を見せたのが、エンゼルス・大谷翔平投手だ。メジャー6年目の今季は、投げては23試合に登板し10勝5敗、167奪三振、防御率3.14。打っては135試合で打率.304、44本塁打、95打点。6月には月間16本のアーチをかけ、7月27日のタイガースとのダブルヘッダーでは、第1試合でメジャー初完封、第2試合で2本塁打を放つ離れ業を見せた。右脇腹の負傷と右肘靱帯の手術でシーズン終盤25試合は欠場とはなったが、日本選手初のア・リーグ本塁打王を獲得。MVPの有力候補にも挙がっている。

 メジャー12年目のダルビッシュ有投手(パドレス)は、24試合を投げて8勝10敗、141奪三振、防御率4.56。右肘の炎症で8月末に離脱となったが、野茂英雄氏の記録(1918)を抜いて日本人投手最多となるメジャー通算1929奪三振を記録。日米通算196勝と、大台まであと4勝に迫っている。

 8年目の前田は、21試合を投げて6勝8敗、117奪三振、防御率4.23。2021年9月に受けた右肘のトミー・ジョン手術から復活を遂げ、日米通算162勝に到達。チーム3年ぶりとなる地区優勝に貢献した。

 5年目の菊池雄星投手(ブルージェイズ)は、32試合を投げて11勝6敗、181奪三振、防御率3.86。勝ち星はもちろん、167回2/3の投球回も含めて軒並みキャリアハイの成績を残し、成長の跡を見せた。

 2年目の鈴木誠也外野手(カブス)は、138試合に出場し打率.285、20本塁打、74打点をマーク。メジャー初挑戦の昨季よりも数字を伸ばし、松井秀喜氏(元ヤンキースほか)、大谷に続く年間20号にも到達した。

千賀はフォークを武器に202K…新人王候補にも

 初挑戦組では、メッツの千賀滉大投手が年間を通して安定したピッチングを見せた。29試合を投げ、12勝7敗、防御率2.98。“ゴーストフォーク”を武器に202もの三振を奪い、新人王候補にも名が挙がる活躍を示した。

 藤浪晋太郎投手は、7月にアスレチックスからオリオールズに移籍したのを境に、見違えるピッチングを見せた。移籍前は34試合に登板(うち7先発)し、5勝8敗3ホールド、防御率8.57だったが(それでも5勝はチーム最多)、移籍後は30登板で2勝0敗2ホールド、防御率4.85。中継ぎとして覚醒し、確かな爪痕を残した。

 レッドソックスの吉田正尚外野手は、140試合に出場し、打率.289、15本塁打、72打点。不振に苦しんだ時期もあったが、打率ではア・リーグ5位に食い込み、日本時代と同様のヒットメーカーとしての実力を発揮した。

(Full-Count編集部)

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