巨人戦力外に眠る“お宝” 1軍で防御率8点台も…覚醒予感の無双投球「27.9」

戦力外通告を受けた巨人・堀岡隼人【写真:矢口亨】
戦力外通告を受けた巨人・堀岡隼人【写真:矢口亨】

1軍では3年間で未勝利、防御率8.41

 巨人は13日、中島宏之内野手ら7選手と来季の契約を結ばないことを発表した。5日にも育成選手6人に契約見送りを通告しており、これで支配下も含めて13人に戦力外が言い渡された。その中の1人には、2軍で“無双投球”を披露している選手もいた。プロ7年目、25歳の堀岡隼人投手だ。

 青森山田高から2016年育成ドラフト7位で巨人に入団した堀岡は、2019年に支配下昇格。しかし2020年は1死しか取れず7失点の登板も経験するなど、防御率7.82の結果に終わり、再び育成契約に戻った。今季は2年ぶりの支配下入りも1軍では3登板にとどまり、戦力外となった。

 1軍では通算18登板で防御率8.41と存在感を示せなかったが、150キロを超える直球とフォークは威力抜群。2軍では4年間で143試合を投げ、防御率2.94。さらに今季は43試合で5勝1敗8セーブ、防御率1.87と好成績を残した。セイバーメトリクスの指標を用いて分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータによると、“中身”も優秀だったことが分かる。

 1イニングあたりに出した走者を示す「WHIP」は全体3位の0.83、三振割合を示すK%は2位の27.9%と、打者を圧倒(2軍50投球回以上)。また、各球種の100球当たりでどれだけ得点増減したかを示す指標でも、持ち球の直球、フォーク、カーブはいずれも大きなプラスを計上しており、表面的な数字以上に内容も伴った好投だったことがうかがえる。

 過去には戦力外から復活し、ベストナインや1億円プレーヤーになった選手も少なくない。昨年行われた現役ドラフトでも、中日・細川成也外野手や阪神・大竹耕太郎投手など、他球団移籍を機に花開くケースもある。堀岡の“無双”を評価する球団は現れるだろうか。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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