DeNA、絶好機で出せなかった“勝負の一手” 専門家が指摘する「次の1点の取り方」

DeNA・三浦大輔監督【写真:荒川祐史】
DeNA・三浦大輔監督【写真:荒川祐史】

DeNAは宮崎が6回に先制2ランを放つも以降は無得点

■広島 3ー2 DeNA(14日・マツダスタジアム)

 DeNAは14日、マツダスタジアムで行われた広島とのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第1戦に延長11回2-3でサヨナラ負け。宮崎の2ランで先制し、広島を上回る12安打を放ったが、あと1本が出なかった。野球評論家の新井宏昌氏は「相性の良さを見込んだ打線は当たったが、勝負所での一手が出せなかった」とポイントを指摘した。

 主導権を握ったのはDeNAだった。広島・床田から3回まで5安打を放つも無得点の拙攻。それでも6回1死一塁の場面で宮崎が左中間へ先制2ランを放ち均衡を破った。直前の牧が初球を打ち上げ一邪飛に倒れる嫌なムードが漂う中、首位打者のバットで流れを掴んだ。

「短期決戦の初戦はお互いがエース級の投手。多くの得点が望めない中で大きな一発だった。3回はバスターエンドラン、盗塁を試みたが共に失敗。3位のDeNAとしては事を起こすことが必要。三浦監督も積極的に動いたのは良かったですし、スタメンの起用も当たった」

 この日のスタメンは床田に対し今季10打数5安打の大田を3番、7打数3安打1本塁打の山本を7番で起用。大田は第1打席で左翼線二塁打を放つなど4打数2安打1四球、山本も5打数2安打と期待に応えた。「6回も先頭の大田が四球を選び宮崎の2ランを呼び込んだ。中盤まではDeNAの思惑通りだった」と振り返った。

延長11回1死三塁から蛯名、林が凡退し無得点に終わる

 だが、その後はチャンスを作るも1点が遠かった。同点の9回は1死二塁の好機も林、代打・大和が凡退。延長11回は1死三塁から途中出場の蛯名が遊飛、林が空振り三振に倒れ無得点に終わった。絶好機を逃すと、直後に途中出場の秋山にサヨナラ打を浴び逆転負けを喫した。

 延長11回の場面はベンチに戸柱、楠本ら左打者が残っていたが、“最後の一手”を繰り出すことはなかった。「ベンチも状況を理解している。一番、期待できる打者に任せたということだったと思います」。3位通過のDeNAは引き分けでも、広島に王手をかけられる状況だった。

「苦しい状況でも2点先行できた。あとは次の1点の取り方。佐野の離脱もあり現状の打線はそこまで強くない。広島との少しの差はベンチの選手層だったかもしれません」

 16勝を挙げ最多勝に輝いた東で初戦を落としたDeNA。後がなくなった15日はエース・今永に全てを託す。「次も僅差の展開になる。この日は力んで無安打に終わった4番・牧の奮起に期待したい」。過去4度CSに進出しているDeNAは、3位で進出した2度ともファイナルステージに進出している。1勝を挙げ第3戦に望みを繋げたいところだ。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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