敗退のDeNA、顕著なバランスの偏り タイトル獲得者揃いながら惨敗…来季へ明確な課題

DeNA・三浦大輔【写真:荒川祐史】
DeNA・三浦大輔【写真:荒川祐史】

7回に2点を奪い同点に追いつくも、8回に上茶谷が代打・田中に勝ち越し打を浴びる

■広島 4ー2 DeNA(15日・マツダスタジアム)

 8年連続の“下克上”とはならなかった。DeNAは15日に行われた広島とのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第2戦に2-4で敗れた。タイトルホルダーが揃うチームも連敗を喫しシリーズ敗退。野球評論家の新井宏昌氏は「やはり野手の差。牧、宮崎頼みの打線を最後まで変えることができなかった」と指摘した。

 レギュラーシーズン同様に“わずかな差”を埋めることはできなかった。2点を追う7回に関根の適時打などで同点に追いついたが、8回に上茶谷が満塁のピンチを背負うと代打・田中に右前適時打を浴びるなど2失点。東、今永のWエースを投入するも連敗を喫した。これまでセ・リーグでは7年連続で3位チームがファイナルステージに進出していたが“神話”も止まった。

 今季のDeNAは東が16勝3敗で最多勝と最高勝率のタイトルを獲得。シーズン途中からはサイ・ヤング賞右腕のバウアーを補強し強力投手陣はさらに厚みを増した。野手でも牧が打点王(103打点)、宮崎は打率.326で首位打者を手にするなど個々の能力だけをみれば充実した戦力が揃っていた。

 だが、ポストシーズン前にチーム2位の148安打を放っていた佐野が離脱。初戦には広島・床田と相性の良い大田を3番で起用するなど試行錯誤を重ね打線を入れ替えた。2試合で計19安打を放つも4得点。繋がりを欠いた打線に新井氏は「援護という点では牧と宮崎の2人にかかる負担が大きかった。首位打者と打点王がいる打線が機能しなかった」と、振り返る。

 この2試合ではルーキーの林が1番として機能したが、ポイントゲッターの牧は9打数1安打0打点と不振。本来なら助っ人陣が脇を固めカバーするところだがソト、オースティンの助っ人コンビは期待を裏切る結果に。「数年前は打高投低のチームが今は逆の印象。チームバランスに偏りがあるように見えます」。短期決戦でも、あと1本、あと1点が重くのしかかった。

 今オフ、エースの今永、バウアーと先発陣を支えた2人の動向は不透明だが「来季も上位を目指すチーム作りには外国人を含めた野手の強化が望まれる。牧、宮崎を生かせる、繋がりある打線ができれば期待は持てる」と新井氏。来シーズンは課題の得点力不足を解消できるか、注目だ。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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