DeNAバウアーが証明した圧倒的な実力 数々の衝撃…僅か4か月で“球団最強”に

DeNAのトレバー・バウアー【写真:荒川祐史】
DeNAのトレバー・バウアー【写真:荒川祐史】

球団外国人投手の勝利数、奪三振数を4か月で更新

 DeNAのトレバー・バウアー投手は、今季3月に加入すると、球団の外国人投手史上最多タイとなる10勝(4敗)、防御率2.76、130奪三振をマーク。怪我の影響で終盤はリハビリに励むも、CSで敗退したことにより復帰登板の機会は巡ってこなかった。それでも、初登板からわずか4か月間でもたらした衝撃は計り知れない。

 2020年のレッズ時代には、ダルビッシュ有投手(カブス)と争いナ・リーグのサイ・ヤング賞を受賞。同年オフには3年総額1億200万ドル(約152億円)でドジャースと契約も、性的暴行などの疑い(後に和解)で契約解除に。2022年はプレーすることなく過ごすと、3月にDeNAが電撃獲得した。

 5月は打ち込まれる試合が続いたが、6月には4勝0敗、防御率2.08をマーク。8月も3勝1敗、防御率1.67と好投し月間MVPを2度受賞した。メジャー時代同様、中4日でフル回転し、気が付けば勝利数、奪三振数でトップを争う位置にいた。8月30日の阪神戦(甲子園)で負傷してしまったが、怪我さえなければタイトル獲得も……と思わせる快投劇だった。

 8月25日の中日戦(バンテリンドーム)では、球団外国人投手のシーズン奪三振数(123)も更新。セイバーメトリクスの指標を用いて分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータによると、WARは「3.3」をマーク。2017年に10勝を挙げたウィーランドを0.1上回り、直近10年では2014年に「3.6」を記録したモスコーソに次いで2位に位置する。

 様々な要素が絡み合って実現した元サイ・ヤング賞右腕の来日。登板した期間は5月から8月の4か月間となってしまったが、勝利数、奪三振数の記録を塗り替えるなど、あっという間に“球団最強助っ人投手”の称号をさらっていった。来日前には「日本のサイ・ヤング賞(沢村賞)も取りたい」と夢を語っていたが、来季も日本でプレーとなれば、可能性は十分にありそうだ。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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