日本ハムのノンテンダーから2年…示した「19.1」の改善 賛否呼んだ決断の“結果”

日本ハム・松本剛(左)、万波中正【写真:矢口亨】
日本ハム・松本剛(左)、万波中正【写真:矢口亨】

西川の左翼には松本剛、大田の右翼には万波中正が台頭

 2021年のオフに球界を驚かせた、日本ハムのノンテンダーFA。球団が、秋吉亮投手、西川遥輝外野手、大田泰示外野手とFA資格について協議した結果、翌年の契約を提示せず、野球協約第66条の保留手続きを行わず、自由契約選手として公示した。この出来事から2年。日本ハムの選択は“正解”だったのか。2021年から3シーズンの数値から分析してみる。

 野手においては守備全般での貢献を示す「UZR」(Ultimate Zone Rating)での検証を、投手においてはリリーフ投手の1イニング当たりの与四球+被安打を示す「WHIP」を使用。セイバーメトリクスの指標を駆使して分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータを用いて検証する。

 まずは西川が守っていた左翼について。西川が務めていた2021年の左翼のUZRは「-1.0」となっている。これは平均値とされる「0.0」を下回り、守備での優位性がなかったことがわかる。翌2022年は主に近藤健介外野手、松本剛外野手、今川優馬外野手が守り「11.9」と大幅に改善した。松本が主に守った今季も「9.9」と高い数値を示している。

 大田が主戦場にしていた右翼も同様の傾向が見られた。近藤との併用が多かった2021年は「-6.5」と低水準。それが翌2022年には「0.5」に良化した。今季は、万波中正外野手が定位置を獲得して「12.6」と劇的に改善。3年間で「19.1」の上昇となり、守備の“ウィークポイント”だった右翼が世代交代で一気に強みに変わった。

 さらに打撃面で見ると、左翼に定着した松本は2022年には首位打者を獲得、今季も若いチームのまとめ役を務めるなど中心選手に成長した。右翼の万波も今季は25本塁打を放ち、シーズン最後まで本塁打王争いを繰り広げるなど飛躍の1年となった。

 投手についてみてみると、秋吉が在籍していた2021年のWHIPは「1.25」。翌年以降は「1.37」→「1.25」と大きな変化が見られなかった。それでも、2022年途中にソフトバンクに入団するも、2試合のみの登板に終わり、オフに戦力外通告を受けたことから、決断のタイミングは適切だったとも考えられる。

 今オフ、西川は楽天から戦力外通告を受けて再び新天地を探すことに。大田は71試合で打率.217と不本意な成績に終わり、オフにメキシコのウインターリーグで武者修行をすることが球団から発表された。秋吉は2022年にベイサイド・リーグの千葉スカイセイラーズに選手兼任コーチで入団した。“ノンテンダー”から2年。それぞれが野球人生の岐路を迎えている。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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