源田超え20歳、巨人の新星、リーグ6位の打棒 侍遊撃候補は逸材揃い…井端監督の選択は?

巨人・門脇誠、中日・龍空、広島・小園海斗(左から)【写真:荒川祐史、矢口亨】
巨人・門脇誠、中日・龍空、広島・小園海斗(左から)【写真:荒川祐史、矢口亨】

中日・龍空に巨人・門脇…好素材が多い遊撃

 井端弘和新監督が就任した野球日本代表「侍ジャパン」は、11月16日に開幕する「カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ 2023」で初陣を迎える。24歳以下または入団3年目以内、29歳以下で3選手まで選出できるオーバーエイジ枠で構成されるチームには、どのようなメンバーが名を連ねるのか、注目が集まっている。激戦とみられるのは“内野の要”ともいえるショート。今季は「アンダー24」の若き才能が芽吹いた1年だった。

 セイバーメトリクスの指標を駆使して分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータによると、野手においては守備全般での貢献を示す「UZR」(Ultimate Zone Rating)で今季、12球団トップだったのは中日の龍空だった。3年目の20歳はUZR「10.0」という抜群の数値を記録した。自慢の守備力で出場試合数を昨季の62から一気に114まで伸ばした。昨季まで6年連続ナンバーワンだった西武・源田壮亮を超える指標を叩き出した、価値あるトップ獲得だ。

 新人ながら強烈なインパクトを残したのは巨人の門脇誠。171センチと小柄だが、長くチームの遊撃を守り続けた坂本勇人に代わり、シーズン後半にはスタメン出場を続けた。このインパクトは数字にも現れており、UZRは「6.4」を記録している。

 その他にも、昨季一気に頭角を現したヤクルト・長岡秀樹や広島・小園海斗の存在も面白い。昨季ゴールデン・グラブ賞を受賞した長岡の守備力は、今季も健在。UZRは「9.7」を記録。打撃では苦しんだが、守備では高いレベルをキープしている。5年目の小園も、昨季の遊撃でのUZRは「-6.9」と課題が見えたが、今季は同「4.4」と急成長を遂げた。

 守備面が重視される傾向があるショートだが、もう1人面白い選手がいる。オリックスの21歳・紅林弘太郎はUZRこそ「-3.7」と他の4人に比べ劣るが、打撃が魅力の選手だ。今季はリーグ6位の打率.275をマークした。3連覇を果たしたチームで、2年目から定位置をつかんだポテンシャルは計り知れない。

 類まれな身体能力や判断力が求められ、各球団で常に編成の優先課題とされるショートの育成。若き逸材が多く存在する現状は、日本野球の未来にとっても明るい材料といえる。自身も名手として鳴らした井端監督は、どのような人選をするだろうか。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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