規定到達は唯一ゼロ…埋まらぬ“千賀の穴” 数字は軒並みリーグ下位、鷹の大きな課題

ソフトバンク・東浜巨、有原航平、和田毅、石川柊太(左上から時計回り)【写真:荒川祐史】
ソフトバンク・東浜巨、有原航平、和田毅、石川柊太(左上から時計回り)【写真:荒川祐史】

メジャー帰りの2投手がけん引するも…WHIPは5位、FIPは6位

 ソフトバンクの新監督に小久保裕紀2軍監督が就任することが、21日に球団から発表された。来季の4年ぶりV奪還に向けて課題は様々あるが、重要項目の1つに先発投手陣の整備があるだろう。今季は規定投球回到達者が12球団で唯一ゼロに終わり、メジャーに移籍したエース・千賀滉大投手の抜けた穴を埋める存在の台頭がなかった。

 セイバーメトリクスの指標を駆使して分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータによると、先発陣全体の成績は軒並みリーグ下位の数字だった。投球回数(792回2/3)がリーグ最少なのはもちろんだが、それにもかかわらず被本塁打76、9イニングあたりの被本塁打0.86はリーグワースト。石川柊太投手が15発、有原航平投手が13発も浴びた。1イニングあたりの与四球+被安打数を表すWHIPも1.29でリーグ5位。与四死球、奪三振、被本塁打による投手評価FIP(fielding independent pitching)も3.89でワーストだった。

 勝ち頭は有原の10勝で、続くのがパ・リーグの最年長42歳の和田毅投手の8勝。実績的に期待された石川と東浜巨投手も、それぞれ4勝、6勝に終わり、開幕投手を託された大関友久投手も5勝にとどまった。中継ぎから転向した藤井皓哉投手が、6月頭に左脇腹を痛めて一時離脱したものの、先発で5勝、防御率2.35をマークしたのは1つの光明だろう。来季、誰がローテを引っ張る存在になるのか、若手を含めた新監督へのアピールに注目したい。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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