戦力外でも2軍では無双状態 山本由伸級の支配力「0.83」…投球の幅広げる“魔球”

ソフトバンク・森唯斗【写真:荒川祐史】
ソフトバンク・森唯斗【写真:荒川祐史】

今季から先発に本格転向…戦力外でも2軍戦で圧倒的成績を残した森唯斗

 ソフトバンクは22日、森唯斗投手ら7選手に、来季の支配下契約を結ばない旨を通告したと発表した。森は2013年のドラフト2位入団。1年目からリリーフとして58試合に登板し、7年連続で50登板以上とフル回転。2018年からは守護神として最多セーブのタイトルを獲得するなど、通算127セーブを挙げている。そんな実績豊富な右腕でも、“戦力外”の波から逃れられなかった。

 とはいえ、今季から本格的に先発に転向した森は、1軍では6試合で2勝3敗、防御率4.60だったものの、2軍では特筆すべき成績を残している。セイバーメトリクスの指標を駆使して分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータによると、12試合で勝ち星こそ5勝5敗だが、防御率は1.54。50イニング以上投げた投手の中で、被打率.202はリーグ1位、そしてWHIP(1イニング当たりの与四球+被安打)は驚異の0.83で、これもリーグトップの数字だ。オリックス・山本由伸投手の1軍でのWHIPが0.88だから、森はウエスタンで、山本同様の“無双”のピッチングを披露していたことが見て取れる。

 リリーフではストレート、カット、カーブ、フォークを主体としていたが、先発転向でチェンジアップを取り入れた。チェンジアップ100球当たりの失点増減を示すwCH/Cは、2022年は14.61、2023年は4.39と、いずれも「ストライクカウントが増える・アウトを取れる」ことを示すプラス数値が1軍でも出ている。投球の幅が増えている上に、経験も豊富。そんな31歳を欲する“新天地”が現れることを期待したい。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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