“屈辱の韓国時代”TVで見た友人の活躍 大舞台で輝いた35歳…逆襲へ導いた反骨精神

フィリーズ戦に先発したダイヤモンドバックスのメリル・ケリー【写真:ロイター】
フィリーズ戦に先発したダイヤモンドバックスのメリル・ケリー【写真:ロイター】

ダイヤモンドバックスのケリーは、リーグ優勝決定シリーズで好投した

 ダイヤモンドバックスのメリル・ケリー投手は23日(日本時間24日)、敵地で行われたフィリーズとのナ・リーグ優勝決定シリーズ第6戦に先発登板。5回1失点の力投で勝利投手になり、第7戦に望みをつないだ。一世一代の大舞台で気迫を見せた35歳右腕は、韓国プロ野球を経由して才能が開花した苦労人だった。

 2010年の米ドラフト8巡目でレイズ入りしたが、メジャー昇格の機会を掴めず、2015年から韓国のSKに新天地を求めた。米紙「ワシントン・ポスト」は、「メジャーで投げることができる十分な実力があることを証明する為に渡った。レイズが彼を昇格させなかったことは間違いだと証明する為に。そして(レイズだけでなく)皆が彼の才能を見過ごしていることを証明する為に」と特集している。

 同記事によると、韓国時代は毎朝、テレビで中継されるメジャーの試合を見ては、友人たちの活躍を目に焼き付けていたという。「韓国にいた時、1日たりともここ(メジャー)で投げることを考えなかった日はない」と振り返るほどだったが、結果で証明していく。韓国での4年間で48勝を挙げると、2019年にダイヤモンドバックスでついにメジャー初登板、いきなり13勝と活躍した。

 そして35歳のシーズンとなった今季は、夢のような物語となった。3月に行われたWBCでは、米国代表として日本との決勝に先発。惜しくも世界一を逃したが、シーズンでは30試合に先発して12勝8敗、防御率3.29とエース級の活躍で、チームのポストシーズン進出に大きく貢献した。第7戦の行方次第ではワールドシリーズでの雄姿も見られるだろうか。逆輸入右腕から目が離せない。

(Full-Count編集部)

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