解雇にしたのに年俸21億円の“巨額負債” 引退選手に13億円…大型契約の悲劇

元Dバックスのマディソン・バムガーナー【写真:Getty Images】
元Dバックスのマディソン・バムガーナー【写真:Getty Images】

米メディアがMLB30球団に残る「2024年シーズンにおける“最悪の契約”」を特集

 日本でも米国でも、チームを長期的に支えてくれる主力として期待し、大型契約を結んではみたものの、故障や不調などで“誤算”となるケースはあるものだ。特に、2024年も活躍が見込めない、またはもはやチームにいないのに、大金を支払わなければいけないのは実に切ない。米メディアがそうした、MLB30球団に残る「2024年シーズンにおける“最悪の契約”」について特集を組んでいる。

 米スポーツ専門メディア「ブリーチャー・レポート」が今月7日(日本時間8日)、チームの財政を大きく制限する可能性がある「帳簿から消したいと願う」ように見える2024年の契約について、全30球団からピックアップした。

 例えば、現在ワールドシリーズを戦っているダイヤモンドバックスには、今年4月に解雇したマディソン・バムガーナー投手との契約が残っている。メジャー通算134勝左腕と2020年から5年総額8500万ドル(約118億円)という巨額契約を結んだものの、成績は低迷。「30歳シーズンを前に、すでに衰えが感じられたバムガーナーと契約を結んだのは、最初から間違いだったかのように見えた」と記事では指摘。契約最終年の1400万ドル(約20億9500万円)は、現時点で来季チーム内で最も高額な年俸だというから皮肉だ。

 そして、レッドソックスのクリス・セール投手。2020年に5年1億4500万ドル(約217億円)の契約を結んだものの、2022年までの3年間で投げたイニング数はわずか48回1/3。今季は20試合に先発し125奪三振をマークしたものの、「シーズンを通して先発ローテの一角を担うにはリスクが大きい」と言及。来季年俸2750万ドル(約41億円)は、先発投手としては現在、球界で8番目の高額だという。

 さらにはロッキーズのクリス・ブライアント外野手。2021年に7年総額1億8200万ドル(約272億円)の長期契約を結んだが、今季も80試合で打率.233、10本塁打にとどまり、「急速にMLB史上最悪の契約の1つとなりつつある。今後5年間で1億3600万ドルの支払いが残っており、プレーオフ競争からかけ離れたチームが支払うには非常に高い金額だ」としている。

 他にも、2021年に引退したクリス・デービス氏への支払い(来季は920万ドル、約13億7000万円)が2037年まで残るオリオールズ。クリスチャン・イエリッチ外野手への年俸2600万ドル(約39億円)が今年のチーム年俸の17.6%も占めているブルワーズ、47本塁打を放ちながらも打率1割台のカイル・シュワーバー外野手に来季も2000万ドル(約30億円)払うことになるフィリーズなどが取り上げられている。

(Full-Count編集部)

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