きつねブームの裏で苦悩…笑顔を失った人気チア 露出増に戸惑いも“乗り越えた壁”

ファイターズガール・高野実さん【写真:H.N.F.提供】
ファイターズガール・高野実さん【写真:H.N.F.提供】

高野実さんにインタビュー…ダンス、歌、ツアーガイドと多方面で活躍

 パ・リーグ6球団のチアチーム、パフォーマンスチームの来年度の新メンバー募集が続々と開始される今、現在各球団のパフォーマーとして活躍するメンバーにインタビューを実施した。今回は、日本ハムのオフィシャルチアチーム「ファイターズガール」の高野実(たかの・みのり)さんが登場する。

 高野さんはプロ野球界のパフォーマーを「最高の職業」だと話す。4歳からダンスを始め、ファイターズガールとしての活動を通して感じた「職業:プロ野球界のパフォーマー」とは……2年間の活動を経た今、思う等身大の気持ちを話してもらった。

 ファイターズガールは、パフォーマンスで球場を盛り上げ応援することはもちろん、各種メディアでの球団PR活動、地域訪問活動、ダンスアカデミーのインストラクターなどを行うチアチーム。今季は「きつねダンス」に続く「ジンギスカンダンス」や、スタジアムツアーのガイド役、初歌唱に挑戦したCDの発売などで話題を集め、新球場「ES CON FIELD HOKKAIDO」を多方面で盛り上げた。

 幅広い活動のなかでも、地域訪問活動での地域の方々との交流を大切にしており、北海道各地で行われるイベントへの参加、幼稚園・保育園などの施設訪問を積極的に行なう。高野さんも「北海道で生まれ育っていても、訪れたことのない町はたくさんあるので、さまざまな地域へ訪問し地域の皆さまと交流できるのも楽しみのひとつです」と話す。ファイターズガールは、知名度が全国区となった今でも地域密着活動に重きをおき、広い北海道とファイターズをつなぐ“架け橋”として活動を続けている。

ファイターズガールのパフォーマンスの様子【写真:H.N.F.提供】
ファイターズガールのパフォーマンスの様子【写真:H.N.F.提供】

ファンの笑顔を見て「前向きな気持ちで心から楽しむことができるように」

 高野さんに「これまでの活動のなかで壁にぶつかったことはありますか?」と尋ねた。

「昨年きつねダンスが流行り始めたと同時に、ファイターズガールへ注目してくださる方も増え、ありがたいことにさまざまな場での露出や活動の幅が急激に広がっていきました。ですが、自分の思い描いていた活動内容とのギャップに戸惑い、ありのままの笑顔で踊ることができなくなった時期がありました。そんななか、ファンの皆さまや子どもたちが、きつねダンスなどのコンテンツを笑顔で楽しそうに踊っている姿を見て『エンターテイメントはみんなで作ってみんなで楽しむものなんだ!』と気づいたんです。それからまた前向きな気持ちで心から楽しむことができるようになりました」

 ファイターズガールにとって激動の1年となった昨年の経験を経て、高野さんは活動するうえで大切にしていることをこう話す。

「エスコンフィールドに来てくださった方のなかには『今日が初めて』『今日で最後』と、その方にとってはとても大事で大切な1日かもしれない。そんな1日を思い出の残るものになるように、遠くの席から熱い応援をしている皆さまにも『来てくださりありがとう!』という気持ちが届くように、視野を広げる事を意識してパフォーマンスしています」

 また「プロ野球界のパフォーマーはどんな職業だと感じていますか?」と聞いた。

「喜びも悔しさも同じ瞬間を同じ場所でファンの皆さまと共有出来ること、緊張感漂うグラウンドで球場に響く音や声援を感じながらのパフォーマンス、全てがリアルに感じられる最高の職業だと思います」

 高野さんが何度も口にした「ファイターズファン」の存在。共にファイターズを応援するファンを大切にするからこそ、ファイターズガールもまたたくさんの人から愛され、支持されるチアチームであり続けている。

(「パ・リーグ インサイト」池田紗里)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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