リーグ唯一のマイナス…DeNA最悪の“泣き所” スター候補の誤算、36歳に大きな負担

DeNA・林琢真、京田陽太、大和(左から)【写真:矢口亨、荒川祐史、小林靖】
DeNA・林琢真、京田陽太、大和(左から)【写真:矢口亨、荒川祐史、小林靖】

遊撃手の「UZR」で、DeNAはリーグ唯一のマイナスとなる「-13.0」

 DeNAは今季、役者を揃えてリーグ優勝を目指したものの、終わってみれば阪神に12ゲームの大差をつけられて3位に終わった。リーグ最多となる投打6部門でタイトルホルダー誕生と、目に見える結果は残したものの、チームとして足りなかったのは一体どこなのだろうか。セイバーメトリクスの指標を用いて分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータを参照し、守備に着目して見ていきたい。

 リーグにおける同じ守備位置の平均的な選手が守る場合に比べて、守備でどれだけの失点を防いだかを表す「UZR(ultimate zone rating)」を用いて検証。右翼手が「5.4」でリーグ1位、二塁手も「5.8」と同2位の好成績の一方、気になるのが遊撃手だ。守備の要とも呼ばれる花形のポジションには各球団の名手が揃う。その中でDeNAは唯一のマイナスとなる「-13.0」を記録している。

 開幕スタメンに抜擢されたのは、2019年ドラフト1位の21歳、森敬斗内野手だった。しかし、4月14日の2軍戦で自打球が顔面に直撃して鼻骨を骨折。7月29日の2軍戦ではファウルで右手を痛め、8月1日に右有鉤骨の手術を受けた。飛躍の1年になるはずだった森は9試合の出場に終わり、これが大きな誤算だった。

 昨オフに中日からトレードで獲得した京田陽太内野手が、最多の552イニングを守ったものの「-4.3」。2019年には「13.1」も記録した名手が、守備でも数字を稼ぐことができなかった。さらに、431イニングを守った大和内野手も「-5.1」。こちらもかつての名手だが、36歳に負担の大きい遊撃は酷だろう。

 また、9月18日以降は、昨年ドラフト3位の林琢真内野手が守った。176回1/3イニングで「-0.5」だったものの、2軍では96回1/3イニングで「1.2」。来季以降のさらなる成長に期待できそうだ。来季は森と林の若手の競争に加え、今年のドラフトでは東洋大の石上泰輝内野手を指名。京田も29歳とまだまだ衰える年齢ではない。べテランの大和の負担を軽減できる層の厚さを目指したい。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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