「柳田2世」手足が震えたプロ1年目 体重13キロ増で覚醒間近…西武19歳・古川雄大の手ごたえ

西武・古川雄大【写真:宮脇広久】
西武・古川雄大【写真:宮脇広久】

身長186センチの大型スラッガー、ルーキーイヤーは3軍で体づくりに専念

 大分・佐伯鶴城高から2022年ドラフト2位で西武に入団した古川雄大外野手は、身長186センチの大型スラッガーだ。ルーキーイヤーは体づくりに力を入れ、主に3軍で過ごしたが「きつかったけど、しっかり頑張れました」と、充実した1年を過ごした。

 高校では通算21本塁打を放ったが、プロ1年目は「全然追いつけないし、追い越せない。練習ばかりしていました」と、レベルの違いを痛感した。春季キャンプでは慣れない木製のバットに苦しみ、打撃投手の球を打ち返すことすらできなかった。「最初は本当に高校生のレベルでしたが、コーチに1年間指導してもらったおかげで、試合でもヒットが打てるようになりました」と、今は手応えを掴みつつある。

 2軍の試合にも1試合出場したが、手足が震えるほど緊張し、ほとんど記憶がないほどだ。5月には1軍の練習に参加する機会もあったが、この時も今までにないほど緊張したという。

「周りはテレビで見ていた人ばかりでした。グラウンドでアップするんですが、緊張しすぎて何をすればいいかわからなくなってしまいました。一緒に参加した野村(和輝内野手)さんや野田(海人捕手)は結構自分からいっていたんですが、僕は周りをきょろきょろしているだけでした。いつもやっているストレッチも全部飛んでしまい、コーチに『大丈夫か? 隣と同じでいいんだよ』と言われました」

西武・古川雄大【写真:宮脇広久】
西武・古川雄大【写真:宮脇広久】

先輩の長谷川信哉に思い切って質問、「夜部屋においでよ」と誘ってもらう

 気が張ることの多い1年だったが、自ら先輩に声をかけることを心がけている。春季キャンプでは、長谷川信哉内野手に思い切って打撃について質問をしたところ「夜部屋においでよ」と誘ってもらった。

「長谷川さんは守備、バッティングをすごく丁寧にやる人です。僕もやっているけど、疲れた時やしんどい時はどうしても雑になって流れでやってしまう。『丁寧にやることが一番大事だし、そこは監督、コーチからも見られている。しっかりやったほうがいいよ』と教えていただき、実践して頑張っています」

 1年目の目標に掲げたのは体づくりだったが、栄養士と相談しながら食生活に気を配り、体重は13キロ増えた。「力を発揮するものに関しては、伸びがすごく大きくなり、出力も今までとは全然違います」。だが、体を繊細に動かすことが苦手なため、大きくなった体をうまく使えるように、来季に向けて準備をしていきたいと力を込めた。

 憧れの選手は、ソフトバンクの柳田悠岐外野手だ。自身も高校時代は「柳田2世」と呼ばれており「言われるとは思っていなかったので、めっちゃ嬉しいです。もしお会いできることがあったら、どういう意識をもってプレーしているか聞きたいです」と声を弾ませた。「来年は2軍に上がって、しっかりと結果を残したいと思っています」。そう答える19歳のプロ野球人生は、まだ始まったばかりだ。

(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)

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