大谷翔平獲得へ、ド軍に迫られる“選択” 最高額か変則か…前例なき契約問題

エンゼルスからFAとなった大谷翔平【写真:Getty Images】
エンゼルスからFAとなった大谷翔平【写真:Getty Images】

ド軍地元紙「安心して長期間コミットして高額を確約することができるか」

 エンゼルスからFAとなった大谷翔平投手の移籍先について、ドジャースを有力視している米メディアは多い。ドジャース地元紙「ロサンゼルス・タイムズ」は「ドジャースはオオタニが欲しい。だが金額の競り合いが予想される中、どこまで(の額を)出すか」と展望を明かした。

 年俸総額では最近11年連続でMLBトップ5に入り、ぜいたく税の課税ラインも直近3年連続で超えているドジャース。一方で、今オフに入る段階で大型契約が満了したり、契約の選択権をチームが持つ6人のうち2人しか残さず1億ドル(約151億円)近くを浮かせた。これにより来季の支払いが確定している額は1億3000万ドル(約196億円)ほどで、2025年は8000万ドル(約120億円)ほどだ。

「オオタニを加える資金については問題ない。だが、ドジャースが安心してたった一人の選手に長期間コミットして高額を確約することができるかは、まだ見えない」

 フリードマン編成本部長の下では、多くのトップFAに対して他チームと競りあえる額を出してこなかった。ブライス・ハーパーやゲリット・コールのFA時には金額で負け「最近でもシーガー、ターナー、シャーザーらが、(ドジャース)より高額なFA契約を提示した他チームに行くことを容認した」と説明した。

 高額で選手を獲得したのは、2年前にチーム史上最大のFA契約としてフレディ・フリーマンに1億6200万ドル(約244億円)を保証した契約がある。総額でチーム史上最高額の契約は2020年トレードで加入した直後にムーキー・ベッツが結んだ3億6500万ドル(約551億円)の延長契約。さらに「今となっては悪名高い契約となってしまった」という、2021シーズンに先だってトレバー・バウアーに与えた3年1億200万ドル(約154億円)の契約もあった。

出来高条項や魅力的な報奨金…独創的な契約オファーも

「もし過去が何らかの序章になるならば、ドジャースがこれまで億ドル級の契約で競り合いになることをためらってきたこと、今回はそれがMLB史上最高額の契約になりそうなことが、彼らが大谷を追いかける上での難点になりうるだろうか」と同誌は指摘した。

 しかし、ドジャースが大谷を引き寄せる方法は「他にあるかもしれない」。毎年のように優勝争いをしていること、南カリフォルニアに残れること、球界トップクラスのリソースを持つチームで肘のリハビリができることなどが有利に働くかもしれないとみている。

 また独創的な契約オファーをすることもためらわないとみられ、最高額を保証できなくても年平均の額が高い短期契約や、契約破棄条項や大谷の稼ぐ能力を最大限に生かす出来高条項を付けたり、そのほかにも魅力的に思うような報奨金をつけることも予想する。

 過去にもFAにこうした戦略を試みており「フリードマン氏とフロント勢は長期にわたってチーム財政の柔軟性を維持することを強く推奨しているため、トップFA選手を相手にする際にはこの道を選ぶのが常だった」「もしオオタニが最も重視するのが保証済総額であれば、ドジャースは非常に重要な選択を迫られる。普段は避けてきた金額の競り合いに全力で挑むのか、それとも史上最高の才能を持つ選手を獲り逃す危険を冒すかのかだ」。球史に残る争奪戦が予想されるだけに、球団側も大きな選択を迫られる。

(Full-Count編集部)

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