「藤浪ドラフト」から11年…最後の砦が戦力外 阪神歓喜の瞬間に“誰もいなかった”

オリオールズ・藤浪晋太郎(左)、阪神・北條史也【写真:ロイター、荒川祐史】
オリオールズ・藤浪晋太郎(左)、阪神・北條史也【写真:ロイター、荒川祐史】

ドラフト2位入団の北條が戦力外で2012年組の阪神在籍は“ゼロ”に

 2023年の阪神は2位・広島に11.5ゲーム差をつけてリーグ制覇し、日本シリーズではオリックスを4勝3敗で破って38年ぶり日本一に輝いた。一方で、北條史也内野手ら7選手に戦力外を通告した。ここでは北條らを指名した、阪神の2012年ドラフト組を見てみる。

 この年の高校生はいわゆる“大谷世代”。エンゼルスからFAになった大谷翔平投手(日本ハム1位)が高卒からのメジャー移籍を公言していたこともあり、目玉は大阪桐蔭の藤浪晋太郎投手だった。4球団競合の末、交渉権を勝ち取ると、1年目から3年連続2桁勝利。しかし、4年目から制球難などに苦しみ低迷した。2022年に先発、中継ぎで16試合に登板し防御率3.38の成績を残すと、オフにポスティングシステムでメジャーへ移籍。先発では苦戦したが、中継ぎで居場所を見つけ、アスレチックス、オリオールズ両球団で計64試合に登板した。

 2位の北條も甲子園のスターだった。光星学院高(現八戸学院光星)では2年夏から3年春、夏と3季連続甲子園で準優勝。3年時は春夏ともに決勝で藤浪を擁する大阪桐蔭に敗れた。プロでは2016年に122試合に出場し、打率.273。ブレークの兆しを見せたがレギュラー奪取とはいかなかった。今年は2015年以降初の1軍出場なしに終わった。

 ファンも球団も大きな期待を寄せた2012年のドラフト。3位以降は大卒・社会人の即戦力を4人獲得したが、いずれも厳しい結果だった。3位の田面巧二郎投手は1軍4試合で防御率6.23。4位の小豆畑眞也捕手も1軍未出場で現役を引退した。

 5位の金田和之投手も2016年オフに糸井嘉男外野手の人的補償でオリックスに移籍すると、65試合に登板した。2021年オフに戦力外通告を受け、現在は社会人野球の三菱重工Westに所属している。6位の緒方凌介外野手も1軍で18安打に終わった。

 藤浪がメジャーに渡り、北條も戦力外となったことで、2012年ドラフト組は阪神でゼロに。歓喜の瞬間に立ち会えた選手はいなかった。

(Full-Count編集部)

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