わずか1年で戦力外、故障に悩んだ右腕は引退 守護神に覚醒も…人的補償の“光と影”

日本ハム・田中正義(左)と広島・一岡竜司【写真:荒川祐史】
日本ハム・田中正義(左)と広島・一岡竜司【写真:荒川祐史】

一岡竜司は移籍1年目に防御率0.58、田中正義は守護神抜擢で25セーブ

 FA宣言の期限が迫り、ファンの間では人的補償にもやきもきする季節になった。人的補償とは、FAによる移籍元球団が戦力低下の補償として、移籍先球団から選手を獲得できる制度。新天地で飛躍を遂げた選手もいれば、戦力外になった選手もいる。ここでは、この10年間で人的補償での移籍を経験した12人を見ていく。

 2013年オフ、大竹寛投手の人的補償として巨人から広島に移籍したのが、一岡竜司投手だ。巨人では2年間で13試合の登板だったが、移籍1年目の2014年に31試合に登板すると、2勝0敗、2セーブ16ホールド、防御率0.58とブレークした。その後も10年に渡って広島のブルペンを支え、今季限りで現役引退した。

 また、他にも岐路を迎えた選手が多かった。2014年オフに相川亮二捕手の人的補償で巨人からヤクルトに移籍した奥村展征内野手、2018年オフに西勇輝投手の阪神移籍によりオリックスに移った竹安大知投手、2020年オフに梶谷隆幸外野手が巨人に加入したことによりDeNAに移籍した田中俊太内野手、昨オフに森友哉捕手のオリックス移籍に伴い西武に移った張奕投手が戦力外通告を受けた。

 竹安は故障に泣き、今季限りでの現役引退を決断。張奕も故障の影響で5試合の登板にとどまった。2021年オフに又吉克樹投手の人的補償としてソフトバンクから中日に移籍した岩嵜翔投手は、通算299試合に登板し、2017年には最優秀中継ぎにも輝いた実績から大いに期待された。しかし、トミー・ジョン手術のため2年間で1登板。来季は育成契約から支配下復帰を目指すことになる。

 一方、新天地で飛躍したのは巨人→DeNAの平良拳太郎投手、楽天→ロッテの小野郁投手、ロッテ→楽天の酒居知史投手、ソフトバンク→日本ハムの田中正義投手らだ。2016年ドラフト1位の田中正はプロ6年間で34試合の登板にとどまっていたが、新天地に移籍した今季は47登板。守護神として25セーブ、防御率3.54と活躍した。巨人→広島の長野久義外野手は、トレードで巨人に復帰した。

(Full-Count編集部)

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