日本S前日…自宅で悟った戦力外「タイミングよかった」 食卓で見た同僚の勇姿

オリックス・吉田凌【写真:荒川祐史】
オリックス・吉田凌【写真:荒川祐史】

元オリックスの吉田凌、トライアウトで2奪三振のアピール

 オリックスから戦力外通告を受けた吉田凌投手が15日、千葉・鎌ケ谷スタジアムで行われた「12球団合同トライアウト」に参加した。打者3人に対し、2三振1四球だった。登板後には、日本シリーズ初日に受けた戦力外通告、そしてオリックスでの8年間を振り返った。

 この日は、“2番手”で登板。自慢の武器でもあったスライダーで2者連続三振を奪うと、最後は四球だった。「それ(スライダー)でプロでもやってきたと思うので、どうしてそこだけは譲れない」「インコースにも使えて良かったです」と振り返った。

 吉田は2015年ドラフト5位でオリックス入団。2020年には35試合に登板し、2勝2敗7ホールド、防御率2.17の好成績を残した。今季も1軍で19試合に登板し防御率3.24。2軍でも1点台と好投した。一方、チームには山崎颯一郎、宇田川優希ら剛腕の好投手がいた。

「状態が良いときは僕自身もある程度真っ直ぐ、スライダーが生きてくるんでいいんですけど、疲れてくる終盤は球質やキレが落ちてくる中で、パ・リーグの打者相手にそれだけではごまかせないなと。毎年思っていたんですが、改めてわかったと言うか。(オリックスの)周りのピッチャーもあまりにも凄すぎるんで。そこが一番しんどかったですね」

 チームが日本シリーズ初戦を迎える前日、自宅にいた時に1本の電話が鳴り、戦力外通告を悟った。「最初2軍施設で挨拶してから、そのまま日本シリーズしていたので京セラ行って。タイミング的には良かったかなと思い、みなさんに挨拶させてもらいました」。試合は「一ファン」として食事をとりながら楽しく見たという。自身の出番がない悔しさもあったが、日本一を目指すチームメートを見て、自らも再起を誓った。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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