戦力外に眠っていた“激レア右腕” 打者圧倒の支配力「0.67」…DeNAが獲得したお宝

DeNAが獲得した中川颯【写真:荒川祐史】
DeNAが獲得した中川颯【写真:荒川祐史】

DeNAはオリックスから戦力外になっていたアンダースロー中川颯を獲得

 DeNAは17日、オリックスから戦力外通告を受けていた中川颯投手と2024年シーズンの選手契約を結ぶことで合意したと発表した。今では絶滅危惧種と呼ばれるほど希少となったアンダースロー右腕。今季1軍登板はなかったが、ファームでは21試合に登板し、32回2/3を投げて0勝1敗、防御率1.38の好成績を残している。横浜市出身の25歳は、地元に眠っていたお宝になるかもしれない。

 桐光学園高、立大を経て2020年ドラフト4位でオリックスに入団。2021年に1試合に登板したが、ブルペンの層の厚いチーム状況もあり、その後は1軍での出場機会を得られずにいた。同年は2軍で41試合に登板し、防御率1.13をマーク。しかし、翌年は2軍でも6試合の登板に終わり、オフには戦力外となった。

 今季は育成選手として再スタートを切り、セイバーメトリクスの指標などを用いてプロ野球の分析を行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータでも、光る数字を残している。1イニングあたりに何人の出塁を許したかを表すWHIPでは、2軍で30回以上を投げた投手の中では3位の「0.67」を記録した。

 さらに、奪三振割合のK%も同8位の「29.1%」と高い。守備から独立した投手の失点率を推定、評価する指標tRAでも同4位の「1.90」と、軒並み高数値を叩き出している。一方、フライ割合が59.7%と高く、起用する場面は重要となりそうだ。機会に恵まれなかった右腕は、地元で輝くことができるのだろうか。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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