登板数激減でSNSでは厳しい「意見」 新人王が招いた隙…甘さ認めた“自戒”の日々

西武・水上由伸【写真:小林靖】
西武・水上由伸【写真:小林靖】

西武・水上は2022年に新人王と最優秀中継ぎをダブル受賞した

 2022年シーズンに最優秀中継ぎのタイトルを獲得し、新人王に輝いた西武・水上由伸投手が22日、4年目の来季へ向けた決意を語った。今季は23登板で5ホールド1セーブ。防御率2.12という数字を残したものの、開口一番「酷いシーズンだった」と振り返った。

 春先から本来の球の力強さを発揮できず、4月上旬に2試合に登板した後、2軍での再調整を余儀なくされた。夏場に入り徐々に調子を取り戻し、7月4日に1軍へ復帰すると10試合連続無失点を記録するなど、チームに貢献した。ただ、この時点ですでにチームは下位に低迷しており、5位でシーズンを終える結果となった。

 シーズン序盤の自身の不調を「オフの過ごし方に対して、自分の中で甘さがあったのかな」と厳しく律した。水上は四国学院大から育成ドラフト5位で入団し、ルーキーイヤーの2021年5月に支配下登録されると、デビューから17試合連続無失点のパ・リーグ新人新記録を達成するなど、すぐに頭角を現した。2022年は60試合に登板し、35ホールドポイントをマーク。タイトルを手にし、新人王に選ばれた。だが、この受賞こそが今季の不調への“布石”となっていた。

「気持ちの面でもそうですけど、少し浮ついている部分があったのかなと思います」。自分の中では意識していなくとも、タイトルを獲得したことで気の緩みがあったと猛省する。ガムシャラさに欠けた昨オフの自主トレ。「フォームのバランスも知らず知らずに少しずつ乱れていった」ことが成績にも表れ「身にしみて分かりました」。このオフは目の色を変えて練習に臨んでいる。

西武・水上由伸【写真:湯浅大】
西武・水上由伸【写真:湯浅大】

厳しい“声”は「結果で見返す」…最低でも60試合登板でタイトル奪取誓う

 タイトルホルダーとして迎えた今季は周囲からの期待も大きかっただけに、苦しんだ時期には多くの“声”も届いた。「色々な意見をいただきました。SNSを通じて、いい言葉も悪い言葉も。ファンあっての職業なので意見はしっかり受け止めています」。特に落ち込むことはなかったが、厳しいコメントに対しては「結果を出して見返せるようにしたい」とモチベーションに変えている。

「プロ野球人生で60試合投げられているので、そこは最低というか。50試合投げても物足りないと思われるかもしれないですし、60試合は目標にします」無双だった2022年の自分を超える。「60試合投げた疲れを言い訳にしていたら、そこまでの選手。僕も新人王と最優秀中継ぎ投手を獲れたので、少しはそのプライドもあるので、また来年獲ってやろうと思います」。

 堂々のリベンジ宣言だ。このオフの自主トレは「1人で雲隠れしてやります。秘密特訓? そうですね」。強気の25歳右腕はニヤリと笑った。

(湯浅大 / Dai Yuasa)

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