山本由伸にも「リスクある」 失敗続く投手の150億円超契約…危惧される“不良債権”化

オリックス・山本由伸【写真:荒川祐史】
オリックス・山本由伸【写真:荒川祐史】

保険料高騰で「衰えが早く始まっても給料の全額を支払わなければ」

 オリックスは、山本由伸投手のポスティング申請を完了し受理されたことを21日に発表した。MLB球団との契約交渉期限は、米国東時間21日午前8時(同21日午後10時)から同2024年1月4日午後5時(同1月5日午前7時)までとなる。2億ドル(約302億円)級の争奪戦が予想されているが、米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」は「先発投手と億ドル(約150億円)級の契約を結ぶ前に熟考するべきだ」として投手への大型契約への懸念を指摘した。

 今オフ、大谷翔平投手(エンゼルスFA)の次のグループに入ってくるのが山本、ジョーダン・モンゴメリー(レンジャーズFA)、ブレイク・スネル(パドレスFA)、フィリーズと1億7200億円(約257億円)で再契約したアーロン・ノラだ。

 同メディアは「複数の代理人と何人かの編成部を担当する幹部と話した結果、この集団は1億2000万ドル(約179億円)から2億2000万ドル(約329億円)の契約を手にすると予想している。現在の保険市場では保険料が高騰しているので、各チームはこの契約に全く保険をかけないことが予想される。よってトミー・ジョン(TJ)手術やキャリアを脅かすような怪我をしたり、衰えが予想より早く始まっても、(契約した)チームは給料の全額を支払わなければならない」と懸念材料を挙げた。

 近年の先発投手の大型契約の例をみると、1位のジェイコブ・デグロム(レンジャーズ)は2023年から5年1億8500万円(約277億円)。わずか6先発でTJ手術が必要となり、2024年9月まで戻ってこないことが予想される。その時には右腕は36歳になっている。

 2位のカルロス・ロドン(ヤンキース)は2023年から6年1億6200万ドル(約242億円)を結んだ。ジャイアンツではキャリアハイの成績を残したが、新天地1年目の今季は14先発にとどまり、複数の怪我にも悩まされて64回1/3を投げ、防御率6.85の成績に終わった。

 3位のクリス・セール(レッドソックス)は30歳だった2020年から5年1億4500万ドル(約217億円)の契約延長。TJ手術で2020年を全休し、2021年も9先発、2022年も2先発にとどまったため「契約(延長)は大間違いだった」と厳しかった。ほかにもスティーブン・ストラスバーグ、パトリック・コービン、デビッド・プライス、マディソン・バムガーナーらが“不良債権”となっている。

 それだけに「FAの4先発(山本、モンゴメリー、ノラ、スネル)の全員が、契約に応える活躍をするかもしれない。だが、これまでのキャリアと比較して標準的な成績を残せると保証できる人は誰もいない。なので、そこには常にリスクがある」「チームは、先発投手の過去の活躍や基準となる年のために金を出すという過ちを犯すのでなく、今後の彼らの成績を分析して支払うことに焦点を当てる必要がある」と記事は主張していた。

(Full-Count編集部)

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