球種全てが“一級品” 先発で防御率「0.75」の無双…22歳が見せた圧倒的な潜在能力

巨人・井上温大【写真:矢口亨】
巨人・井上温大【写真:矢口亨】

巨人・井上温大は2軍で7勝無敗、防御率0.75をマーク

 巨人の4年目左腕、井上温大投手は今季2軍で7勝0敗、防御率0.75と抜群の成績を残した。データで見ると、来季1軍での活躍を期待したくなる高指標がズラリと並ぶ。

 井上は前橋商から2019年ドラフト4位で巨人に入団。怪我の影響で2021年オフに育成契約となるも、2022年7月に支配下に復帰した。今季1軍では4登板(4先発)で1敗、防御率10.95に終わったが、2軍では圧倒的だった。

 2軍では11試合に登板(10先発)し7勝0敗、防御率0.75。72回1/3を投げて84奪三振(奪三振率10.45)を記録した。1イニング当たりの四球と安打による出塁頻度を示す指標「WHIP」は0.65。2軍で20回以上投げた投手では最も低い数値となった。

 さらに、セイバーメトリクスの観点から分析を行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータによると、失点増減を示す指標では、直球(wFA)が14.6、スライダー(wSL)が4.8、カットボール(wCT)が1.4、カーブ(wCB)が0.9、チェンジアップ(wCH)が2.1、フォーク(wSF)が2.2。2軍基準ではあるものの、全てプラスの数値を記録している。

 2軍で50イニング投げた投手の中では直球は2位に位置する。多彩な球種を操る上に、どれも高いクオリティをマークしている。昨季はカットボール、フォークはデータ上は記録されていなかったが、1軍での飛躍へ向けて試行錯誤しているようだ。今季は巨人では山崎伊織投手や赤星優志投手ら若手投手が台頭。井上も来季は1軍でポテンシャルを発揮するシーズンにしたい。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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