椋木蓮、富山凌雅の完全復活で見据える4連覇 エース抜けても…必要不可欠な“復帰組”

契約更改交渉に臨んだオリックス・椋木蓮(左)と富山凌雅【写真:真柴健】
契約更改交渉に臨んだオリックス・椋木蓮(左)と富山凌雅【写真:真柴健】

オリックス・椋木蓮、富山凌雅の躍動が4連覇の鍵となる

 4連覇を狙うオリックスに“新戦力”が戻ってきそうだ。肘のトミー・ジョン手術を受けた影響で今季をリハビリ生活にあてた椋木蓮投手と富山凌雅投手が28日、大阪・舞洲の球団施設で契約更改交渉に臨んだ。来季も育成選手としての契約を締結した椋木は「自分にとって結構、充実した1年だった。体の面でも野球の面でも聞くこと見ることが増えて、自分に足りないものが学べた1年間でした」と明るい表情で振り返った。

 椋木は2021年ドラフト1位で入団。新人だった2022年7月20日の日本ハム戦(京セラドーム)では9回2死までノーヒット投球を披露するなど、4試合に登板して2勝1敗、防御率1.02の成績を残した。ただ、右肘の故障により、入団1年目のオフに育成契約に切り替わっていた。

 すでに10月のみやざきフェニックス・リーグで実戦復帰を果たすなど、患部は順調に回復。岸田護投手コーチから「足の向きなど細かいところも修正するように」と指摘を受け「右足が開いたら左足の向きも変わってくる。(入団時は)インステップ気味だったんですけど、怪我をしてから右肘をかばって極端なインステップになっていた。今、そこを苦労して(修正して)いる感じです」と来季に向けて、視線を前に向けた。

 当初みやざきフェニックス・リーグでの登板予定はなかったが「首脳陣がシート打撃に投げるなら試合で投げていいよと。1年間、ずっとマウンドに立てていなかったので、結果というよりは投げられる楽しさと感謝で。すごい楽しかったなという気持ちでした」と充実の表情を浮かべた。

4連覇に必要不可欠な“復帰組”の奮闘

 気迫溢れる左腕の富山も奮起を誓う。2018年ドラフト4位で入団すると、25年ぶりVを成し遂げた2021年には51試合に登板し、2勝1敗20ホールド、防御率2.72をマークした。今季のリハビリ生活は「めっちゃしんどかったです」と深い息を吐き「できる時にやっておかないと、というのはすごく感じました。野球ができるのが当たり前じゃない。その環境に置かれたら『もっとできたんじゃないの?』という目線でも見ていました」と冷静に言葉を紡いだ。

 復活を目指す来季は「まずは支配下選手登録に戻って、完全復活した姿をファンに見せることが1番の目標です」と力を込める。富山と同じタイミングでリハビリ生活に励んだ椋木は「自分より後に手術をしたのに、すごい順調。焦ることでもありましたけど、頑張らないとなと思える存在だったので(存在が)大きかった」と頭を下げる。

 今オフにはエースの山本由伸投手がポスティングシステムを利用してのメジャー移籍を目指し、9年間在籍した山崎福也投手がFA移籍で日本ハムへ。抜けた戦力は大きいが“復帰組”の飛躍が、4連覇に導く可能性は十分にある。

○著者プロフィール
真柴健(ましば・けん)1994年、大阪府生まれ。京都産業大学卒業後の2017年、日刊スポーツ新聞社に入社。3年間の阪神担当を経て、2020年からオリックス担当。オリックス勝利の瞬間、爆速で「おりほーツイート」するのが、ちまたで話題に。担当3年間で最下位、リーグ優勝、悲願の日本一を見届け、新聞記者を卒業。2023年2月からFull-Count編集部へ。

(真柴健 / Ken Mashiba)

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