打率.300&18本塁打でも…逃したベストナイン 中日21歳の目に見えぬ貢献度「3.2」

中日・岡林勇希(左)とヤクルトのドミンゴ・サンタナ【写真:矢口亨】
中日・岡林勇希(左)とヤクルトのドミンゴ・サンタナ【写真:矢口亨】

ベストナイン3位…岡林勇希のWAR3.2は近本光司に次いでセ外野手2位

 中日・岡林勇希外野手は今季、セリーグの外野手部門でベストナインに輝いた。打率.279、3本塁打、31打点、OPS.688だった。SNS上では他の選手を推す声もあったが、実際の貢献度はどのようなものだったのだろうか。データをもとに見ていく。

 今年のセ・リーグの外野手部門では、阪神・近本光司が298票、広島・西川龍馬が185票、岡林が150票で3位に入り受賞した。今季、打率.300、18本塁打を放ったヤクルトのドミンゴ・サンタナ外野手は133票で4位。リーグ外野手最多の24本塁打を放った中日・細川成也外野手を推す声もあった。

 今回用いたのは、セイバーメトリクスの観点から野球の分析を行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータ。打撃では、細川、サンタナに劣るように見えるが、勝利への貢献度を示す「WAR」では近本に次いで3.2で2位。細川は2.6、サンタナの2.1を上回った。

 詳細を見れば、攻撃部門のオフェンシブWARは11.1、守備部門のディフェンシブWARは0.0だった。今季は盗塁こそ昨季の24から半減した12だったが、盗塁以外の走塁での得点貢献「UBR」はリーグ2位の5.9だった。

 逆に細川、サンタナはディフェンシブWARがそれぞれ-18.3、-12.5と苦戦した。ベストナインは、新聞社、通信社、放送局で5年以上の取材歴を持つ記者によって投票される。143試合フルイニング出場した21歳のベストナイン受賞はデータ上で見ても納得できるものだった。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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