引退覚悟→野手転向3か月でドラフト指名 西武・モンテル、“奇跡”を掴んだ野球人生

西武・モンテル【写真:球団提供】
西武・モンテル【写真:球団提供】

モンテルは昨年7月に投手から野手に転向…育成ドラフト2位指名された

 四国アイランドリーグplus・徳島インディゴソックスから2022年育成ドラフト2位で西武に入団したモンテル外野手。高校卒業時からプロ入りを目指していたが、憧れの舞台は遠かった。昨年7月、投手から野手への転向が転機となり、22歳で夢を掴んだ。「5年目でやっとNPBに入団できました。それまで苦しい思いをしてきました」と胸の内を語った。

 強豪の金光大阪高に進学したが成長痛に苦しみ、3年間で1度も背番号をもらえなかった。「入学した時は167センチ、卒業するときには182センチまで伸びました。急に身長が伸びたので、手足の感覚がわからなくなり、体の使い方が難しかったです」。

 卒業後は独立リーグでのプレーを目指したが入団には至らず、仕事をしながらクラブチームのOBC高島でプレー。だが、今度は肘の怪我に悩まされた。2020年からは故郷・沖縄の琉球ブルーオーシャンズでプレーしたが、新型コロナの影響もあり活動休止となった。

「同じチームでプレーしていた兄(元ヤクルトのジュリアス氏)が引退するというので、自分も辞めようと思いました。野球は好きなのに、球団の中でいろいろあってうまくいかない。あの時は本当に辞めたかった。道具も見たくないから、全て隠しました。もう野球はやらないつもりでいましたが、兄に『プロに行ってほしい』と言われ、ファンの方からも『練習見てました』とメッセージをもらって『あと1年だけやってみようかな』と思いました」。

 最後の1年と決め、2022年に徳島インディゴソックスに入団。だが、全く結果を残せず、7月に野手転向を決断した。

西武・モンテル【写真:球団提供】
西武・モンテル【写真:球団提供】

今季は2軍で21試合…打率.277、2盗塁「足でアピールしないと」

「『今年で辞めることになるのかな』と思っていました。そんな時『足が速いんだったら、残りの3か月だけでもいいから野手をやってみないか』と言われました。3か月でNPBに行けるなんて聞いたことなかったですけど、全力でやって引退しようと覚悟を決めました」

 野手として最初の打席は三振だった。だが、次の打席でセーフティバントを試みると、出塁することができた。「当てれば何とかなる」。そう思った。そこから12試合で10盗塁決め、足の速さで勝負できると手応えを掴んだ。後期シーズンは26試合に出場し、打率.247、13盗塁の成績を残し、西武の入団テストに参加。その西武からドラフトで育成2位指名を受けた。

 1年目の今季は2軍で21試合に出場し、打率.277、1本塁打、2打点、2盗塁。「5月くらいから結果も出てきて2軍に呼んでもらえるようになり、いいアピールができたかなと思います」。来季の目標は支配下に昇格し、どんな場面でも盗塁を決められるようになることだ。

「プロはピッチャーのクイック、キャッチャーのスローイングのレベルが違う。足が速いと警戒され、スタートが切れないことが増えました。自分は足での活躍を期待されていると思う。足でアピールしないといけないと思っています」

 徳島では186センチの長身を生かし、オフにファッションモデルとしても活動していた。「自分がやりたいことを楽しみながらやっていました」。何度も諦めかけたNPBの舞台。そこでプレーできることを楽しみながら、23歳は支配下昇格へアピールを続ける。

(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)

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