大谷翔平と「LAで会った」 獲得宣言か焦りか…ド軍監督の“禁断の暴露”に現場騒然
大谷代理人は獲得候補の球団へ緘口令を敷いている
完勝宣言とみるか、焦りのラブコールとみるか――。ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は5日(日本時間6日)、テネシー州ナッシュビルで行われているウインターミーティングで公式会見に臨み、大谷翔平投手(エンゼルスFA)と数日前にドジャースタジアムで面談したことを明らかに。日米韓台のメディア約50人を騒然とさせた。
異様な熱気に包まれた。巨大なホテルの一部屋を使って行われた30球団監督の公式会見。大谷の話題を振られると、ロバーツ監督の言葉は熱を帯びていった。
「私たちは彼に会った。正直でありたいんだ。ショウヘイと会って話をした。うまくいったと思う。でも最終的に決断するのは、彼で、彼にとってベストな決断を下す。一番居心地がいい場所を選ぶ」
「ロサンゼルスで会った。ドジャースタジアムでだ。数日前に。口説くというよりも、もっと親しくなろうと。彼もイメージがクリアになるように、私たちに質問を用意していた。すでにドジャースはどういうチームかよく分かっていた。彼に会えたことが光栄だった」
地元番記者も驚き「サプライズ」「興味深かった」
大谷獲りへロバーツ監督は声を弾ませたが、周囲は騒然となった。メジャー史上最高額、6億ドル(約880億円)とも言われる争奪戦。代理人を務めるネズ・バレロ氏が各球団に緘口令を敷き、獲得候補に挙がるジャイアンツやブルージェイズ、古巣のエンゼルスまでもコメントをしてこなかった。地元紙オレンジカウンティ・レジスター紙で番記者を務めるビル・プランケット氏には「サプライズ」でしかなかったようだ。
「オオタニがドジャースと会ったこと自体は誰も驚かないが、デーブ(ロバーツ)がそれを教えてくれたことには驚いた。ドジャースはすべてに関してとても用心深く、行動を隠してきたからね。だから、あれは興味深かった」
高校時代から縁があり、メジャー随一の資金力を誇る常勝軍団。誰にどう聞いてもドジャースが大谷獲得の最有力だ。編成トップのアンドリュー・フリードマン編成本部長とは常に密なコミュニケーションを取っている。今回の“交渉暴露”だって何かの計算に違いない。
メディアを騒然とさせた“ロバーツの乱”で、ドジャースの獲得確率は低くなったのか。前日にド軍入り確率を「60%」と予想していたプランケット記者は「同じだ。変わらないと思う。カブス、ジャイアンツに行くとは一度も思わなかった。エンゼルスに戻るとも思わない。今はドジャースとブルージェイズに絞られている感じだと思う」と首を横に振った。「ドジャースがどれだけ自信があるのかの印だと思う。それだけ自信があるのだ」と続けた。
ロバーツ監督も今後の見通しについて、「いい感じだと思う。でも彼は自分の考えを持っている人だから、そのことを私たちはリスペクトしたい」と自信を見せた。大谷サイドの機嫌を損ねる結果にならなければいいが……。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)