契約更改は「私が嫌われ役」 保留者ゼロ…西武GMの交渉「みんなある程度納得」

契約更改交渉に臨んだ中村剛也、栗山巧、高橋光成(左から)【写真:湯浅大】
契約更改交渉に臨んだ中村剛也、栗山巧、高橋光成(左から)【写真:湯浅大】

中村&栗山の40歳コンビに抑えの増田はダウン…パワフル先発右腕はアップ

 西武はアジアウインターベースボールリーグ(台湾)に参加している青山美夏人投手、是澤涼輔捕手、野村和輝内野手、古川雄大外野手を除き、5日までに全選手が契約更改交渉を終え、保留者はゼロだった。

 チーム最高年俸は来季が5年契約の2年目となる源田の3億円(金額は全て推定)。それでもWBCでの負傷の影響で100試合の出場にとどまり「複数年の1年目というところで本来なら全部に出てもっと貢献しないといけないところで、出場できずに申し訳なかったと思います」と語った。同じく今季3億円だった守護神の増田は成績がふるわずに「そこはすみません」と金額を明かさず、大幅な減俸であったことをうかがわせた。
 
 西武の「骨と牙」としてチームを支える中村&栗山の40歳コンビも厳冬更改。中村はチーム最多の17本塁打、同3位の40打点をマークしながらも88試合の出場に終わり、2億円からの5000万円減に「そりゃそうでしょ」。栗山は77試合の出場で打率.217、7本塁打、19打点に「ちょっと寂しい数字」と振り返り、7100万円減の来季年俸1億800万円でのサインとなった。
 
 一方でホクホクの更改となったのは3年連続2桁勝利をあげたエース右腕の高橋で「評価していただきました」と8500万円増の2億6500万円。投手陣では最高額となった。抑えから先発転向1年目となった平良はチーム最多11勝の活躍で8000万円増の2億5000万円に「妥当かなと思います」と納得の表情を浮かべた。

與座、佐藤龍、田村が背番号変更…田村は「絶対的な守護神になりたい」

 背番号の“昇格”も続々と発表された。アンダースローの與座は「44」から「15」に。同じ下手投げ右腕として1979~1990年に活躍。通算112勝を誇る松沼博久がつけていた番号で「ライオンズのアンダースローとしての15は大事な番号だよと言ってもらえたので、すごい嬉しい。それと同時にやらなきゃいけない重みも感じています」。今季2勝6敗で300万円減の3000万円だった。

 自己最多の91試合に出場し出塁率.390など躍動。来季年俸は倍増の2200万円となった「58」の佐藤龍は、FAでオリックスに移籍し、「兄さん」と慕う森の「10」を背負う。「シンプルに嬉しいですけど、その分期待されている。応えなきゃというプレッシャーはあります」と笑みを浮かべた。中継ぎ24試合で主に9月に勝ちパターンで貢献した田村は「40」から「20」に。1000万円からの昇給額は明かさなかったが通算157セーブを誇る豊田清(西武投手コーチ)と同じ番号に「豊田さんのような絶対的な守護神になりたい」と誓った。なお、今季「15」だった宮川は「34」。「34」の高松が「50」に。「20」の浜屋が「40」に変更となる。

 渡辺久信GMは保留者を出さず、波乱なく一区切りついたことに「契約ごとなので自分の思った通りの金額でなかった選手もいるかもしれないですけど、そこは色々と話をして。契約更改に関しては私が“嫌われ役”だと思うので、そういう中でもみんなある程度納得してサインしてくれていると思います」と総括した。台湾組の4選手は帰国後の年内に更改する方向。

(湯浅大 / Dai Yuasa)

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