大谷翔平の1015億円契約に見る夢「稼げる職業」 井端監督が語る“子どもへの影響力”

ドジャース移籍を発表した大谷翔平【写真:ロイター】
ドジャース移籍を発表した大谷翔平【写真:ロイター】

日本国内全小学校へのグラブ計6万個贈呈にも「ありがたい」

 侍ジャパンの井端弘和監督は10日、大谷翔平投手がプロスポーツ史上最高額の総額7億ドル(約1015億円)でドジャースとの契約に合意したことを喜んだ。日本野球界の将来を担う子どもたちに、夢を与えると考えるからだ。同日、埼玉県内で行われた「NX × 侍ジャパン野球教室」に講師として参加した際に語った。

 小学生約120人を手取り足取り指導した井端監督。大谷がドジャースと超大型契約を結ぶとのニュースを受けて、「野球以外のスポーツを含めてトップに立ったのが、日本人の大谷選手だということを誇りに思います」と目を細めた。

「最近メディアで言われていた額より、0が1つ多かったですね。言い方はよくないかもしれませんが、それだけ稼げる職業であるということを、子どもたちも認識するのではないか。今後こういう選手が出てくるかどうかはわかりませんが、日本の野球界も盛り上がりますし、子どもたちが憧れてくれれば、どんどんいい選手が出てくるのではないでしょうか」と見る。「怪我にだけは十分気をつけて、1年でも長く現役を続けてほしいですね」と付け加えた。

 特に井端監督の場合は、昨年と今年、小学生世代の侍ジャパンU-12代表の監督を務めた経験があり、現在も本人の強い希望でトップチームとU-15代表の監督を兼務しているほど、子どもへの指導に熱い思いを抱いている。それだけに、大谷が11月に日本国内の全小学校約2万校へ3個ずつ、計約6万個のジュニア用グラブを贈呈すると発表した件にについても感謝を口にする。

「ありがたい。野球をやったことのない子どもにグラブを買い与えるのは厳しい部分がありますし、学校にあって触れることができるのは、“入口”としてすごくいいと思います」

 野球に憧れはあっても、続けられるかどうかわからない段階で子どもに高額のグラブを買い与えるのは、親にとって少々リスクが高い。しかし、“大谷グラブ”がそのハードルを下げてくれるというわけだ。

 初陣の「アジアプロ野球チャンピオンシップ」で優勝し、来年は3月に欧州代表戦、11月に第3回WBSCプレミア12を控える井端監督。大会ごとに契約を更新するスタイルだけに、大谷が“井端ジャパン”の戦列に加わることがあるかどうかはわからないが、指揮官はもっと将来へ向けて“大谷効果”が表れてくると見ている。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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