大谷翔平、ド軍入団会見で語った“全て” エ軍に「さみしさ」も…断った球団に配慮
ド軍入り決断は“発表前夜”「気持ちに従った結果」
大谷翔平投手が14日(日本時間15日)、ドジャースタジアムでドジャースの入団会見を行った。会見にはアンドリュー・フリードマン編成本部長らドジャース首脳陣、水原一平通訳、代理人のネズ・バレロ氏も出席。ファン非公開で、報道陣のみに公開された。日米メディアが約200人殺到し、ユニホーム姿も初披露。冒頭の挨拶では周囲への感謝を述べた。一問一答は以下の通り。
――冒頭の挨拶
「皆さん本日はお集まり頂きありがとうございます。まず最初にこのような機会を与えて頂き、今回選手として自分を信じてくださったロサンゼルスドジャースのチームの皆さん、特にマーク・ウォルター(オーナー)、アンドリュー・フリードマン(編成本部長)、スタン・カステン(球団社長)、ブランドン・ゴーンズ(GM)、デーブ・ロバーツ(監督)、この5人には本当に感謝しています」
「そして私にメジャーリーガーとしての最初のチャンスを与えてくださったエンゼルスの皆さん、本当に今振り返っても、素晴らしく、大切で忘れられない、そんな6年間を思い出をありがとうございました」
「また今回のFAに際しまして、本当に多くの方とお話をさせていただきました。その他の球団を含めた、球団関係者の全ての皆さんに心から感謝を申し上げます」
「明確の勝利を目指すビジョンと、豊富な球団の歴史を持つ、このロサンゼルス・ドジャースの一員になれることを今、心より嬉しくと思うと同時に、今すごく興奮しています」
「最後に日々お世話になっている、エージェントのネズ・バレロ始め、CAA(エージェント会社)の皆さん、そしていつも遠く日本から暖かい声援を送ってくださるファンの皆さん、本当にありがとうございます。今日は質疑応答を交えながら、そうした方々に少しでも日々の感謝の気持ちを伝えれたらなと思っています。よろしくお願いします」
――最終的にドジャースに入団することをいつ決断したか。決め手は。
「ドジャースにお願いします、契約しますという決断を伝える前の日の夜、発表したのは次の日のお昼なので、その前の晩ですかね。決断理由に関しましては、これが1つという訳ではなくて、交渉させて頂いた全ての球団の皆さんと話をさせて頂いて、どの球団も素晴らしかったですし、ただ何球団誘い頂いても、イエスと答えられる球団は1つしかないので、そこに対して自分が最終的にここでプレーしたいなという気持ちに素直に従った結果かなという感じはします」
――報道陣の数を見て思ったこと。これだけいるということはプレッシャーもあると思う。
「嬉しく思うと同時に、報道陣の方しか今日いないと聞いていたので、予想より多くて今はビックリしています」
“後払い”契約は球団に配慮「全然後払いでいい」
――2回目の肘の手術を「トミー・ジョン」とは言っていない。その理由と、あえて言わないことで交渉を有利に進めるという思惑はあったのか。
「最初の段階でどういう手術になるのかというのは、ドクターも含めて、どういう風になるのかというのは決めないといけなかったので、発表の段階でそれがまず決まっていなかったのが一番かなと思います」
――2回目のトミー・ジョン手術をしたのは事実か。
「そうですね。ただ、術式が違かったりというか、前回とはまた違うので、そこをどういう風に表現するのかというのは、僕はもちろん専門外のところではあるので、そこはドクターの方が詳しいかなとは思いますね」
――こういう契約の形態(後払いの%が多い契約)これは自身のアイデアか。他のチームも同じような条件だったのか。
「元々、後払いというのはどの選手も大型契約になると付くものではあるので、そのパーセンテージに関しては、選手に一任するというところではありますし、そこを含めて自分が今受け取れる金額を我慢してペイロールに柔軟性を持たせられるのであれば、そこは全然後払いでいいですというのが(話の)初めですかね。あと他球団の契約に関しては、今も他の選手の交渉もしている最中だと思うので、僕の口から具体的な球団名だったりだとか、交渉の内容に関しては、あまりこの場で言うことができないというのはあるかなと思います」
――色んな選択肢のなかからドジャースを選んだ。勝つこと、優勝リングを手にするということの優先順位は。
「もちろん契約形態からわかるように(勝つことは)一番上のところではあるので、野球選手として、あとどれくらいできるのかというのは正直誰もわからないですし、勝つことというのが、僕にとって今一番大事なことかなと思います」
――最後の段階で何球団で悩んでいたのか。決断の決め手は。
「何球団と僕の口から言っていいのか分からないので、差し控えさせていただくというのと、ドジャースがこれを持っているからというよりかは、心に残っている言葉として、オーナー、ウォルターさんも含めて、このドジャースが経験してきた10年間を、彼らは成功だと思っていないということはおっしゃられていたので、それだけ勝ちたいという意志が強いんだなというのは、心に残ったかなと思います」
――勝ちにこだわる。常々一番になるんだというのは思いを語って、WBCでも見事に優勝を果たした。勝つために一番大事なことは。
「一番大事なのは、全員が勝ちに、同じ方向を向いていることが大事だと思う。オーナー、フロント、チームメート、ファンもそうですしみんながそこに向いていることが大事かなと思います」
――常々世界一になる目標を掲げていた。ドジャースでどんな選手に。
「まず優勝することを目指しながら、そのところで欠かせなかったと言われる存在にまずはなりたい。そういう期待を込めた契約だと思うので、そこの期待に応えられるように今後も全力で頑張っていきたい」
犬の名前は「デコピン」…ついに名前を明かす
――MVP発表で愛犬がテレビに映ってから、世界中が名前を知りたくて待ちきれない。
「『デコピン』っていうんですけど、こっちの人はあまり発音的に難しいというか、あれなので。元の名前が『デコイ』なので、こっちの人に説明するときは呼びやすい『デコイ』というふうに説明しています」
――来季は打者に専念。開幕は間に合うのか。デコピンの由来は。
「バッティングの方は、素振りの方を初めているので、概ね予定通りにきている。若干早いくらいの感じで、十分に開幕に間に合うんじゃないかと思うので、スプリングトレーニングでしっかりゲームに入れる準備ができていれば、開幕に十分間に合うんじゃないかなという感じはしますね」
「(犬の)由来に関しては、さっきも言いましたけど、元々デコイという名前があったので、それに近い感じで選びました」
――メジャーに挑戦した時の気持ちと、ドジャースに入団する時の気持ちの違い。
「全体的な気持ちとしては変わっていない。常に挑戦したいなとは思っていますし、ドジャースに決めた後はそこに対してのチャレンジだと思っています。ただ、来るということは去るチームもありますし、日本でいえばばファイターズでしたし、今回はエンゼルスでしたけど、そこのさみしさというのも心の中にあるのも事実かなと思います」
――フリードマン編成本部長か、ウォルターオーナーが退団したらオプトアウトできる条件も契約に入っている。どれくらい重要か。
「みんなが同じ方向を向いているのが大事。ロサンゼルスドジャースに入団すると同時に、このお二方と契約するという形ですし、そこがもし崩れるのであれば、この契約自体が崩れることになる。そういう契約かなと思います」
――ドジャースのファンについて知っていることは。
「僕は入団してから知ることの方が多いんだろうなと思いますし、各球場も行っていますけど各チームのファンがこういう気質なんだなというのは感じますし、野球に対して熱狂的だなというか。エンゼルスタジアムにしてもそうですし、毎回青いユニホームを着たファンがいる。そういうのを見るとファンに熱があるなというのは感じています」