大谷翔平に「世界一リング触ってみる?」 TVレポーターは回答に驚愕…勝利への渇望

ドジャース・大谷翔平【写真:Getty Images】
ドジャース・大谷翔平【写真:Getty Images】

ドジャース入団会見「勝つことが僕にとっては今は一番大事」

 ドジャースと10年総額7億ドル(約996億円)の大型契約を結んだ大谷翔平投手は14日(日本時間15日)に本拠地のドジャースタジアムで入団記者会見を行った。ドジャーブルーのネクタイを締め、17番のユニホーム姿も初披露。「明確に勝利を目指すビジョンと豊富な球団の歴史を持つドジャースの一員になれることを心より嬉しく思うと同時にすごく興奮しています」と語った。

 約300人の報道陣、約60台のテレビカメラが集結した大谷の入団会見。世界中の注目を集めた晴れの舞台で浮かび上がったのは、世界一への思いだった。

「勝つことが僕にとっては今は一番大事。心に残っている言葉としては、オーナーのウォルターさんを含め、この10年間でドジャースが経験したことは全く成功だと思っていないということ。それだけ勝ちたいという意志がみんな強いんだと思った」

 ドジャースは2020年にワールドシリーズを制覇し、2013年から11年連続でポストシーズン進出の常連。それでも足りない。常に高みを目指すチームの姿勢に心を打たれたという。

 かつての“仲間”も大谷の会見を見守った。2002年から2021年までエンゼルス放送局のバリースポーツ・ウエストで実況、ベンチレポーターを務め、現在はドジャース放送局のスポーツネットLAでリポーターを務めるホセ・モタ氏だ。6年前に起きた、大谷の印象的なエピソードを明かしてくれた。

入団会見でのドジャース・大谷翔平【写真:ロイター】
入団会見でのドジャース・大谷翔平【写真:ロイター】

「チャンピオンリングを触ってみる?」に「ノーノーノー」

「初めて会ったのはエンゼルスの入団会見。その時も彼は『僕は勝ちたい』と言っていた。その時、私はエンゼルスの(WS制覇の)リングをはめていたんだ。『ショウヘイ、リングを触ってみる?』と聞いたんだけど、答えは『ノーノーノー。自分で勝ち取りたいんだ』と言っていた」

 エンゼルスでの6年間では、ポストシーズンに届かなかった。それでも自分に何ができるか。チーム総年俸を圧迫しないよう、大型契約の97%に当たる6億8000万ドル(約967億円)を後払いとする契約形態も、その意志の表れだ。モタ氏は新天地での飛躍に期待を込める。

「ショウヘイはいい時間を過ごすだろう。才能あふれた選手が周りに多くいることを理解している。40本以上を打っているから、それより少ない本塁打数を予想していない。ドジャースタジアムは昔は本塁打を打つのが難しい球場だったけど、今は違う。他の球場と同じように打球が飛ぶ」

 今年9月に右肘の手術を受け、来季は打者に専念する。韓国・ソウルで行われる3月20日のパドレスとの開幕戦へ向けて、大谷は「十分に間に合う」と自信を見せた。「優勝することを目指しながら、欠かせなかったと言われる存在になりたい。そういう期待を込めた契約だと思う」。プロスポーツ史上最高額と言われる大型契約を結んだ気負いなど感じさせない。世界一だけを求めて突っ走ってくれそうだ。

○著者プロフィール
小谷真弥(こたに・まさや)1983年、大阪・大阪狭山市生まれ。埼玉・東松山市育ち。明大明治高、明大野球部を経て2006年報知新聞社に入社。地方部(富山・石川)を経て2009年に運動第一部(野球部)へ異動。2009年ロッテ、2010、11年横浜、2012年から巨人、2015年から日本ハム、2017年からメジャー担当。2019年2月からFull-Count編集部に所属。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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