ヤ軍が日本人左腕に与えなかったチャンス 傘下で奮闘も変わらぬ境遇…28億円契約の顛末

元ヤンキース・井川慶【写真:Getty Images】
元ヤンキース・井川慶【写真:Getty Images】

日本人投手のメジャー移籍を振り返り…井川慶に言及「メジャーリーガーと見なすことはなかった」

 山本由伸投手がドジャースとの契約に合意したと報じられ、これまで数多くの日本人投手が所属してきたヤンキースは獲得を逃す形となった。米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」のタイラー・ケプナー記者は、22日(日本時間23日)に日本人投手のメジャー移籍を振り返った。ヤンキース・井川慶は「メジャーに適応できず」と厳しい評価だった。

 記事では、ドジャース・大谷翔平やパドレス・ダルビッシュ有ら現役投手だけでなく、元ヤンキース・黒田博樹、元マリナーズ・岩隈久志らについても言及していた。その中で井川については、投手の次回先発までのメジャー流の調整方法に驚いたことを言及した。

 井川は阪神で沢村賞、ノーヒットノーラン、MVPなど数々のタイトルを受賞。最多奪三振を3回獲得していることから「彼の名前であるK(ケイ)はピッタリだった」と振り返った。しかし「でも、メジャー生活に全く適応できなかった」と話した。

 2006年オフに5年2000万ドル(約28億5000万円)、出来高の契約を結び、ヤンキースに移籍した。しかし、2年間で16試合に登板し、2勝4敗、防御率6.66という成績だった。「ヤンキースはイガワに対して率直に打ち明けた。彼のことをメジャーリーガーと見なすことはなかったのだ。そして、日本への復帰に応じなければ、マイナーで投げることを強いられた」と振り返った。

 井川がアメリカに残る選択肢をしたため、自宅のあったマンハッタンから毎日、2時間以上をかけて隣州ペンシルバニアのスクラントンまで車で通勤していた。マイナーでは2008年、2009年に10勝以上を挙げ、「(3Aでは)球団記録となる33勝をマークした」。最終的に36勝25敗、防御率3.83の成績だったが、再びメジャーの舞台に上がることはできなかった。

(Full-Count編集部)

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