エース退団も…オリ投手陣に尽きない“逸材たち” 160キロ新人王&負けない男
オリ投手陣の2023年シーズンを振り返る
パ・リーグ3連覇を果たしたオリックスは、シーズン序盤からを展開。7月に首位の座をつかむと、8月は今季最長8連勝を含む16勝7敗2分と独走体勢に。8月26日に中嶋聡監督の就任後初となる優勝へのマジックナンバー「24」が点灯し、9月20日に満員の京セラドームで3年連続15回目の優勝を決めた。
チーム投手成績を見ると、防御率2.73、24完封、46セーブ、1155奪三振はいずれもリーグトップ。被本塁打73と失点428はリーグ最少、被安打1097と与四球405はリーグ2番目の少なさと鉄壁ぶりが伝わる。
山本由伸投手は5年連続で規定投球回に到達し、防御率1.21、勝率.727、16勝、169奪三振で史上初の3年連続「投手4冠」。さらに最優秀選手、ベストナイン、ゴールデン・グラブ賞、沢村賞も3年連続で受賞した。ほかにも被本塁打はたった2本、5年連続でWHIPが0点台、9月9日のロッテ戦で自身2年連続2度目のノーヒットノーラン達成と、今季も圧倒的な投球で驚きの記録を残した。
オリックスに復帰して3年目だった平野佳寿投手は日米通算800試合登板、プロ野球史上初となる日米通算200セーブ&200ホールド、史上4人目の日米通算250セーブを挙げた。
開幕戦のマウンドを任されたのは、プロ3年目の山下舜平大投手だった。これまで1軍登板のなかった山下だが、開幕戦では6回途中まで毎回の7奪三振、被安打4の1失点。自身に勝ち負けはつかなかったものの、上々の結果でデビューを飾った。ストレート、カーブ、フォークの3球種で三振を奪う投球スタイルで、16試合で9勝3敗、防御率1.61、101奪三振の好成績を残し、新人王に輝いた。
ブレークした“負けない”右腕…来季は先発2人が抜けることに
山下とともに頭角を現したのが東晃平投手だ。昨年7月に育成から支配下登録され、自身初の開幕1軍入りを果たした。1度降格したものの、再昇格となった7月30日の日本ハム戦で今季初勝利。すると連勝街道に突入し、プロ初勝利を挙げた2022年8月6日から自身7連勝、シーズン無敗で終えた。
来季は、山本と山崎福也投手が抜け、3年連続2桁勝利を挙げた宮城大弥投手がエースと目される。山下と東、そして日本シリーズで快投を披露した田嶋大樹投手にはこれまで以上に期待がかかる。また、今季プロ初登板を果たした曽谷龍平投手と齋藤響介投手のさらなる成長、2022年にトミージョン手術を受けた椋木蓮投手の復帰も待たれるところだ。
鉄壁の中継ぎ投手は宇田川優希投手が「14」、阿部翔太投手が「20」、山崎颯一郎投手が「21」と、新しい背番号で2024シーズンを迎える。オフにトレードで加入した吉田輝星投手、現役ドラフトで中日から移籍した鈴木博志投手の起用法も来季の見どころのひとつだ。
2024年はより強固な投手王国を築き、4連覇そして2年ぶりの日本一となるだろうか。
(「パ・リーグ インサイト」菊地綾子)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)