燕V奪回のカギは“1番”…求められる5年目野手の奮起 坂口智隆氏が開幕スタメン予想

ヤクルト・塩見泰隆(左)と長岡秀樹【写真:小林靖】
ヤクルト・塩見泰隆(左)と長岡秀樹【写真:小林靖】

坂口智隆氏が2024年のヤクルト開幕スタメンを予想

 リーグ連覇から一転、2023年は5位に低迷したヤクルト。野球日本代表「侍ジャパン」の4番も背負った村上宗隆内野手ら軸になる打者がいるだけに、覇権奪回のキーポイントは現有戦力の“底上げ”だろう。球団OBで野球評論家の坂口智隆氏が開幕スタメンを予想した。

 リーグ3連覇を狙った2023年シーズンはまさかの結果に終わった。投手陣はリーグワーストのチーム防御率3.66、567失点、野手陣も史上最年少3冠王の村上がシーズン序盤に不振、1番として期待された塩見泰隆が怪我で離脱。チーム打率.239はリーグ5位だった。

 どのチームにも言えることだが、シーズンを通して理想の打順を継続させることは難しい。ただ、坂口氏は「ヤクルトに関して言えば、ここ2年のメンバーが本来の働きを見せれば打線に関しては上位を十分に狙える」と確信している。打線の核として真っ先に指名したのは「1番・中堅」の塩見だ。

 塩見は下半身のコンディション不良で2023年シーズンは51試合の出場に終わった。体調が万全なら走攻守でチームを引っ張る役割を担うだけに「チームの順位に直結するといってもいいぐらい。ヤクルトの1番は塩見選手しかいない」と期待を込める。

 塩見に続くのは「2番・左翼」で山崎晃大朗、中軸からは「3番・二塁」で山田哲人、「4番・三塁」に村上、「5番・右翼」でドミンゴ・サンタナを指名。「状態次第だが2番は新加入の西川遥輝選手も面白い。中軸はある程度、数字は計算できる。山田選手もコンディションさえ整えれば数字はまだまだ残せる」と、口にする。

ヤクルトOBの坂口智隆氏【写真:中戸川知世】
ヤクルトOBの坂口智隆氏【写真:中戸川知世】

長岡秀樹は「数字を出さないといけない立場」

 下位打線も昨シーズンとほぼ変わらないメンバーを挙げた。「6番・捕手」で中村悠平、「7番・一塁」でホセ・オスナ、「8番・遊撃」には長岡秀樹を並べる。「長岡選手は1軍の経験は十分に積んだ。今年はある程度の数字が求められるし、出さないといけない立場」と注目。

 その他にレギュラー争いに割って入る可能性がある選手として武岡龍世、濱田太貴、内山壮真、並木秀尊らを挙げる。開幕投手には昨季、チーム唯一の2桁勝利(10勝)をマークした小川泰弘を推した。

「ヤクルトはそこまでベテラン頼りのチームではない。ラインナップをみても若手、中堅、助っ人のバランスはいい。強いて言うなら、もう少し下からの突き上げが欲しいところ。ただ、何度も言いますが、ヤクルトの鍵を握るのは塩見選手。彼がどれだけ試合に出られるか。村上選手の前にチャンスを作ることができれば得点力はかなり上がるはずです」

 セ・リーグは戦力が充実する阪神が頭一つ抜けているが、他チームの戦力は拮抗している。リーグ連覇を経験したヤクルトの逆襲に期待したい。

【予想スタメン】リーグ連覇のメンバーとほぼ変わらず…ヤクルトのラインナップ

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