1軍未出場も人的補償で移籍…19歳逸材は開花するか 過去の例が示す“苦難”の道

高濱卓也、日高暖己、奥村展征(左から)【写真:荒川祐史、真柴健、小林靖】
高濱卓也、日高暖己、奥村展征(左から)【写真:荒川祐史、真柴健、小林靖】

1軍未出場も人的補償で移籍するのは日高暖己で4人目となる

 広島は5日、今オフに国内フリーエージェント(FA)権を行使してオリックスに移籍した西川龍馬外野手の人的補償として日高暖己投手を獲得したと発表した。1軍経験のない高卒2年目19歳右腕は新天地で化けるか。過去の例を検証する。

 人的補償で他球団に移籍した選手は日高が35人目となる。19歳右腕は宮崎・富島高から2022年ドラフト5位でオリックスに入団し、1年目の2023年は1軍未経験も2軍で12登板、1勝1敗、防御率3.15。将来が嘱望されている。

 過去に1軍経験のないまま人的補償で移籍したのは3人だ。1人は1995年オフの川邉忠義投手で、日本ハム・河野博文投手の巨人への移籍に伴い、新天地へ渡った。1989年ドラフト2位入団も巨人在籍6年間で1軍登板なし。移籍1年目の1996年に17登板で1勝3敗、防御率4.89をマークしたが、1軍出場はこの年だけだった。1997年限りで現役引退した。

 2007年高校生ドラフト1巡目で阪神に入団した高濱卓也内野手は、2011年春にロッテへ移籍した。小林宏之投手のFA移籍による人的補償で、阪神では在籍3年間で出場機会がなかった。ロッテでは2016年に自己最多の53試合に出場するなど、通算212試合に出場。2021年シーズンを限りに引退した。

 奥村展征内野手は2013年ドラフト4位で日大山形高から巨人に入団。1年目のオフに相川亮二捕手の人的補償でヤクルトに移籍した。2016年に1軍デビューし、2019年には自己最多の74試合に出場するなど存在感を示した。3試合出場にとどまった昨年限りで現役引退。2024年からは楽天の2軍内野守備走塁コーチを務める。

 1軍経験のない選手の人的補償による移籍。潜在能力を買われての“指名”だが、新天地で開花するとは限らないようだ。日高が広島でどんな成長曲線を描くか、注目される。

(Full-Count編集部)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY