日本ハムへの譲渡金もほぼなし 29歳右腕が選んだ茨の道…マイナー契約の“明暗”

上沢直之【写真:荒川祐史】
上沢直之【写真:荒川祐史】

野茂英雄は年俸1000万円でド軍に入団、斎藤隆は通算84セーブをマークした

 レイズは11日(日本時間12日)、日本ハムからポスティングシステムを利用してメジャー移籍を目指していた上沢直之投手とマイナー契約で合意したと発表した。ポスティングでマイナー契約を結んだ日本選手は2005年のドジャース・中村紀洋内野手、2018年のエンゼルス・大谷翔平投手がいる。ここではマイナー契約からスタートした主な日本選手を見ていく。

 大谷はプロ5年目で23歳だった2017年オフにポスティングでエンゼルスに入団した。MLBの労使協定により、マイナー契約しか適用されない「25歳ルール」が立ちはだかった。メジャー契約に切り替わっても最低保障の年俸54万5000ドル(当時6100万円)だった。

 1995年にドジャースに入団した野茂英雄投手もマイナー契約。契約金200万ドル(当時のレートで約2億円)、年俸は10万ドル(同1000万円)だったがメジャー通算123勝をマークするなど、多大な功績を残した。

 大家友和投手は1998年オフにレッドソックスとマイナー契約。実働10年間で通算51勝をマークした。斎藤隆投手は36歳シーズンの2006年にドジャースとマイナー契約。同年に72登板するなど、実働7年で338登板、84セーブをマークした。

中村紀洋はド軍で17試合出場、元ドラ1の村田透は1試合に登板した

 パイレーツとマイナー契約した桑田真澄投手は初年度の2007年オープン戦で大怪我を負うも、復帰してメジャー昇格。19試合に登板した。高橋建投手は2009年にブルージェイズとマイナー契約を結ぶも解雇。メッツとマイナー契約し、28試合に登板した。40歳でのメジャーデビューは日本選手最年長だ。高橋尚成投手は2010年にメッツとマイナー契約し、同年に53登板。4年間で通算168試合に登板している。

 野手では中村が2004年オフに近鉄からポスティング申請し、ドジャースとマイナー契約を結んだ。4月にメジャー昇格し17試合に出場も、5月にマイナー降格となった。翌2006年に近鉄と合併したオリックス入りした。川崎宗則内野手は2012年にマリナーズとマイナー契約を結び、開幕メジャーを果たした。5年間で276試合に出場、150安打をマークした。

 2007年の大学生・社会人ドラフト1巡目で巨人に入団した村田透投手は2010年オフに戦力外に。インディアンス(現ガーディアンズ)とマイナー契約し、2015年に1試合だけ登板した。多田野数人投手は立大から2003年にインディアンスとマイナー契約。2004年に14試合に登板した。

 他にもマック鈴木投手、柏田貴史投手、田中賢介内野手らがマイナー契約からメジャーを経験した。29歳で迎える米球界1年目。マイナー契約なら日本ハムに入る譲渡金も少ないが、メジャー契約に切り替わればアップする。ここから這い上がることができるか。注目の1年が始まる。

(Full-Count編集部)

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