戦力外通告も「奇跡です」 “育成5年目”からの覚醒へ…22歳が無駄にしない涙

オリックス・木下元秀(写真は広島時代)【写真:荒川祐史】
オリックス・木下元秀(写真は広島時代)【写真:荒川祐史】

広島を戦力外になりオリックスと育成契約の木下「T-岡田さんが大好きだった」

 新天地で“2人の兄貴”に恩を返す。広島を戦力外になり、2024年からオリックスと育成選手契約を結んだ木下元秀外野手が、レッドソックスの吉田正尚外野手と広島から国内FA権を行使してオリックスに移籍した西川龍馬外野手に感謝の言葉を送った。

「ずっとお世話になっている2人に、活躍する姿を見せたいんです。なんとか支配下選手登録を勝ち取って、1軍でプレーする姿を見てもらいたいと思っています」

 敦賀気比で高校通算38本塁打を記録した木下は、2019年育成ドラフト2位で広島に入団。新人年にウエスタン・リーグで7本塁打を放つなど、持ち前のパンチ力をアピールしたが、4年間で2桁の背番号を掴むことができなかった。

 赤色のユニホームに別れを告げ「野球を続けたい……」と悩んでいると、吉報が届いた。オリックスと育成契約を結び「1度はオリックスのユニホームを着てみたかったんです。小さい時から、ずっと見ていました。先輩(吉田正尚)がいたからというのもありますけど、僕はT-岡田さんが大好きだったんです。だから、今回(の移籍)は奇跡です」と安堵の表情を浮かべた。

レッドソックス・吉田正尚【写真:ロイター】
レッドソックス・吉田正尚【写真:ロイター】

新天地で輝く“育成5年目”は「早くチームに馴染めるように」

 1年勝負が続く“育成5年目”には、安心している時間はない。敦賀気比の先輩にあたる吉田に連絡を入れると「正尚さんは『よかったね』と言ってくださいました。『あとは自分次第だね』と。本気で頑張らせてもらいたいので、その言葉も嬉しかったですし、『何か手助けできることがあれば言ってね』と。ありがたいです、本当に」と目を潤わせた。

 もう1人の“先輩”である西川とは、同じタイミングでユニホームの色を赤から紺に変えることになり「カープの時からお世話になってました。凄く良い方です。食事に行かせて頂いた時は“10割”野球の話ですね。普段はイジられキャラなので、その時くらいしか真剣に打席の話とか聞けないじゃないですか?」と表情を緩める。

 目指すは早期の支配下選手登録で「早くチームに馴染めるようにしたいです」と4連覇&日本一奪回に貢献する。流した涙は、無駄にしない。

(真柴健 / Ken Mashiba)

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