吉田正尚から「34」を継承するドラ1横山聖哉へ… 担当スカウトが感謝した“一流の行動”
オリックス・横山聖哉(左)とレッドソックス・吉田正尚【写真:橋本健吾、ロイター】オリのドラフト1位・横山聖哉が憧れる吉田正尚
突然の頼み事にも、現役メジャーリーガーは快く応じてくれた。「一流のプレーヤーは行動も一流。さすがだなと思ったよ」。オリックスのドラフト1位ルーキー・横山聖哉内野手(上田西高)の担当を務める小松聖スカウトは、新人合同自主トレを見つめながら感謝の気持ちでいっぱいだった。
昨年11月18日に長野・上田市内のホテルで行われた仮契約。オリックスのユニホームに身を包んだ横山聖は、目をキラキラさせながら木製バットを持ち、カメラマンの要求に応えポーズを決めた。「使うなんて恐れ多い」と、恐縮するバットは2022年までオリックスの看板打者だった吉田正尚外野手(レッドソックス)のものだった。
中学時代からフォームをマネするなど、打率も残し長打を打てるスラッガーに憧れた。たゆまぬ努力で高校通算30本塁打、遠投120メートルの大型遊撃手として注目を集める存在となり、栄光の“ドラ1”でプロの扉をこじ開けた。2年生から横山聖を追いかけていた小松スカウトも「1位でいくと決まった時は『行ってくれた!』と思ったよ。これだけスケールある高校生はいない」と心から喜んだ。
小松聖スカウト「早い段階から戦力として期待している」
吉田正も、自身がつけていた背番号「34」を継承するドラ1ルーキーの存在は知っていたという。チームを離れても古巣への思いは誰もよりも強い。小松スカウトの“頼み事”にもすぐに反応し「そんなことでよかったら、全然対応しますよ。球場に持っていきます」と即答だった。
仮契約の場ではバットだけを披露していたが、実は皮手袋もプレゼントされていた。忙しい合間を縫って準備してくれた吉田正に頭は上がらない。「今回はドラフト1位のルーキーでしたが、全ての後輩に分け隔てなく接していた。偉大な先輩の姿を間近で見られたことが、今の選手たちの財産になる。プレーや練習姿はもちろんですが、人間性の部分でも伝統として引き継いでもらいたい」。
2021年にスカウトに転身し、担当エリアから生まれた初の“ドラ1”。本来、高卒野手は「2、3年は体作り」が通例となっているが、小松スカウトの見方は違う。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)